趣味の社会学 文化・階層・ジェンダー…片岡栄美著

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 評・鈴木洋仁 社会学者・東洋大研究助手

 本書の「趣味」は、読書等の楽しみではなく、文化の好み=テイストを指す。日本において趣味は、どのように決まるのか。フランスの社会学者ピエール・ブルデューの理論をもとに、著者は、社会調査の結果を丁寧に分析する。

 フランスでの趣味は、身につけた教養と所得に影響を受け、階層ごとに分かれる。

 これに対し日本では、カラオケをはじめとする大衆文化が、職場での「つきあい」として人間関係を保つために使われる。教養や所得による趣味の違いがなく、文化の面では平等に見える。

 けれども、この見え方は、男性に限られており、男女差こそ、日本での趣味を決める要因なのだと著者は説く。

 勉強や仕事等、お金や地位につながる努力を親から求められる男性は、趣味によって他人との違いや優劣を示そうとしない。逆に女性は、趣味の良さがエリート男性との結婚に結びつくと信じられているため、親は作法を身につけさせようとする。趣味は世代をこえて再生産される。

 身近な文化と社会の仕組みはつながる。そんな社会学の魅力がたっぷり詰まっている。 (青弓社、4000円)

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890629 0 書評 2019/11/10 05:00:00 2019/11/18 11:07:21 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/11/20191118-OYT8I50013-T.jpg?type=thumbnail

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