コラプション なぜ汚職は起こるのか…レイ・フィスマン、ミリアム・A・ゴールデン著

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 評・篠田英朗(国際政治学者 東京外国語大教授)

 コラプション(汚職・腐敗)をテーマにして、数多くの実例を紹介する書である。ただし著者たちの関心は、特定の汚職事件を糾弾することではない。むしろ人間社会に普遍的な現象である汚職の問題を、人間の合理的な行動の結果として分析する。

 汚職は発展途上国で起こりやすい。通常の職務行為で得られる利得が小さいため、汚職をするメリットが大きいからだ。結果として、汚職が、発展途上国の社会状況をさらに悪化させる。教育水準が高い人物ほど、役人の不正行為を通報する傾向が高い。権威の脅かしに簡単には納得せず、官僚への対処方法や、苦情を文書で出す方法を知っているからだ。汚職は、低所得者層の社会的な立場をさらに悪化させる。そして汚職が社会の危機を増幅させる。

 ではどうすればいいのか。著者たちも画期的な処方箋を持っているわけではない。民主化すれば汚職がなくなるわけでもない。汚職をしないことが合理的である社会環境を地道につくっていくしかない。健全な公的・社会的な監視が重要なのである。山形浩生、守岡桜訳。(慶応義塾大学出版会、2700円)

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996283 0 書評 2020/01/12 05:00:00 2020/01/20 10:53:47 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/01/20200120-OYT8I50008-T.jpg?type=thumbnail

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