小林紀晴著「まばゆい残像 そこに金子光晴がいた」

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 四半世紀前、小林紀晴の登場は鮮烈だった。沢木耕太郎『深夜特急』を継ぐ文体で、旅を通して自分を見つめ、多くの読者を集めた。

 『マレー蘭印紀行』の他、詩人・金子光晴の残した旅の軌跡を、小林は30年にわたり追いかける。その文と写真を収める新書大の小著も、まばゆい魅力を放つ。

 明治28年(1895年)生まれの金子は、妻・森三千代と一緒に日本を出る。森の男関係に端を発する上海からの旅は、パリにまで至り、昭和3年(1928年)から約5年にまたがる。

 彼らと小林の旅は違う。そこから記憶の意味、歴史の重みが浮かぶ。

 写真には撮影された場所も日付も記されていない。金子の詩が重ねられたページをたぐり寄せながら読み進める。そこには90年ほど前の金子だけでなく、いつかの小林もいた。その残像が、いつまでも読者の脳裏に、こだまする。(産業編集センター、1000円)評・鈴木洋仁

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1067208 0 書評 2020/02/23 05:00:00 2020/03/02 10:24:40 キャプション別送り https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/02/20200222-OYT8I50035-T.jpg?type=thumbnail

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