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大学はもう死んでいる? 苅谷剛彦、吉見俊哉著

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 評・篠田英朗(国際政治学者 東京外国語大教授)

 徹頭徹尾、もっともなことが語られている本だ。ちまたでは大学改革に関して、様々なスローガンがあふれている。それなのに「日本の大学は学生に真面目に勉強させるような構造になっていない」。

 たとえば日本の大学の授業は1科目2単位になっている。しかし英米圏の大学では1科目4単位が一般的で、「ゼミに近いものを1学期に四つか五つ取る」のが普通である。当然、一つの授業にかける集中度が違う。英米圏では深く考えさせる問題解決型の授業が自然になる。ところが日本の大学は「広く浅く」である。これでは海外の大学と同じ授業を行うことは不可能だ。

 キャッチアップ型の近代化を目指していた時期に作られた日本の大学制度は、現実世界の要請にこたえられていない。誰もが気づいている。しかしそれでも現行の社会制度を、誰も変えることができない。閉塞へいそく感が大きすぎて、日本の大学はもう死んでいる、とつぶやきたくなるわけだ。

 国内外の大学の教育現場に精通した著者たちが、日本の大学の構造的な問題を鋭く論じる。絶望したくなるのをこらえるのが大変だ。(集英社新書、900円)

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1067209 0 書評 2020/02/23 05:00:00 2020/03/02 10:25:22 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/03/20200302-OYT8I50007-T.jpg?type=thumbnail

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