もしも刑務所に入ったら 河合幹雄著

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評・鈴木洋仁(社会学者 東洋大研究助手)

 服役中に本紙を読まれて、ご自身の生活を客観的に記す手紙を下さったAさん、本書をどう思われるでしょうか。

 著者は、日本の治安を研究する法社会学者で、法務省の委員として現場を見てきた人です。筆致は切実です。

 毎年最大3万人が入所し、約5万人が暮らす塀の中を、私は本書で追体験しました。

 罪を犯しても収監されるのは1%です。刑務所に入るのは難しいのですね。

 懲役刑として科される作業ではタオルで体を拭くのすら許しが要りますし、夏場でも週に3回しか入れない風呂は浴槽のあかを想像するだけでもゾッとします。

 あなたは読書を趣味とする由です。が、罪を償い更生し、社会に戻ることが目的の施設での楽しみは少ないと、今回あらためて知りました。

 優れた人格を持つ刑務官が多いとはいえ、暴行事件は、毎日1件以上起きています。入所を繰り返す高齢者は増えるいっぽうで、医療は足りません。出所者への風当たりは強く、立ち直り支援を整えねばなりません。本書から学び、矯正から共生へ進みたい、と痛感しました。(ワニブックスPLUS新書、830円)

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1134531 0 書評 2020/03/29 05:00:00 2020/04/08 10:01:10 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/04/20200406-OYT8I50006-T.jpg?type=thumbnail

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