国立映画アーカイブ監修「旅する黒澤明」

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 左上に垂れ下がる日の丸、真ん中に歯茎、下には崩れた門が見え、興味をそそる。

 現地の発音をカタカナにすれば「ラショモン」、その下に小さく「日本映画 黒澤明監督 4つの真実」とある。

 映画『羅生門』のポスターとして、1970年に当時のチェコスロバキアで作られ、4人の証言が入り乱れる映画の世界を斬新にあらわす。

 作品が、タイトルそのまま固有名詞として世界中を駆け抜けた様子が目に浮かぶ。

 これを含め本書は、30か国で作られた黒澤映画ポスター82枚を全てカラーで収める。しかも全部が槙田寿文氏個人の持ち物だから驚く。

 14種類もの『七人の侍』の図柄をはじめ、国ごとの違いとともに、東ドイツやソ連という消えた国名にも気づく。

 今年生誕110年を迎えた巨匠の足跡を振りかえるだけではなく、冷戦下の世界へと思いをせる格好の導きとして、いつでも何度でも読み返したくなる。(国書刊行会、2600円)評・鈴木洋仁

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1250803 0 書評 2020/05/31 05:00:00 2020/06/09 10:31:46 31日付ビジュアル用。マルシー不要 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/05/20200530-OYT8I50026-T.jpg?type=thumbnail

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