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「これからの世界」を生きる君に伝えたいこと ウスビ・サコ著 大和書房 1400円/アフリカ出身 サコ学長、日本を語る ウスビ・サコ著 朝日新聞出版 1500円

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「なんでやねん」精神で

評・仲野 徹(生命科学者・大阪大教授)

 何年も前から、大学のグローバル化が叫ばれて久しい。残念ながら、多くの大学ではなかなか進んでいないのが現状だ。そんな中、アフリカ出身者として初めて日本の大学の学長になった人がいる。しかし、それは意図されたグローバル化によるものなどではない。

 西アフリカ・マリ共和国に生まれたウスビ・サコ青年は、国の割り振りにより中国の大学へ留学する。偶然に訪れた日本がおもろくて、京都大学の大学院に進学し、京都精華大学に職を得る。そして、アフリカ系だからではなく、この人だからという理由で学長に選ばれた。

 その経緯や大学教育などについて書かれたのが『アフリカ出身 サコ学長、日本を語る』だ。関西弁を駆使されるだけあって、キーワードは「なんでやねん」と「ええやんか」である。

 学生や大学、さらには日本人全体に対して「なんでやねん」と不思議がり、叱る。状況によって使い分け難度の高い「なんでやねん」だが、使い方は完璧だ。一方で、「ええやんか」という包容力はとても大きい。そして、教育は何よりも個人を幸せにするためにあると言う。

 「今こそ教育を問い直そう。教育は変革の力になる」。本の最後に書かれている言葉に勇気が湧いてくるのは私だけではないだろう。

 『「これからの世界」を生きる君に伝えたいこと』は、サコ学長が、不確実でグローバルな社会で生きていく上で、どうすれば「ブレない自分を保ちながら、自分自身を成長させていく」ことができるかを説く本だ。じつにさまざまな「なんでやねん」から考え抜かれた内容はどれもが至極まっとうで、やる気になればすぐにできることばかりである。

 グローバル化がうまく進まない理由のひとつは、勝手に殻の中に閉じこもろうとしてしまっているからではないか。サコ学長のように健全な「なんでやねん」精神さえあれば、そういった問題は間違いなく打破されていくはずだ。

 ◇Oussouby Sacko=マリ共和国出身。京都精華大学長。社会と建築空間の関係性を研究。

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1473691 0 書評 2020/09/13 05:00:00 2020/09/23 10:21:18 書評面 「これからの世界」を生きる君に伝えたいこと/アフリカ出身 サコ学長、日本を語る(7日、東京本社で)=西孝高撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200912-OYT8I50048-T.jpg?type=thumbnail

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