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医療倫理超入門 マイケル・ダン著

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評・山内志朗(倫理学者・慶応大教授)

 医療倫理は現場における技術と知識の発展に即応していかねばならぬ。変化の激しさゆえに、医療と倫理の間に落差が生じ、人は戸惑い悩むことになる。定評のあった初版の改訂版である本書は、何を踏まえて判断すべきかを、批判的思考法(クリティカル・シンキング)の方法を通じて具体的に教えてくれる。

 幇助ほうじょ死(安楽死)について、患者の利益と患者の自律性の尊重という二大原則を提示し、積極的安楽死に肯定的な議論を展開している。生殖補助技術については、これらから生まれる可能性のある子供の倫理的な地位が親の意向より重視される。多少違和感を招きかねない論も出される。それ以外の論点としては、治療における救助原則、遺伝をめぐる守秘義務の問題など、具体的な様々な問題をめぐる基本的論点を教えてくれる。

 医療倫理を考えるうえでの思考の道具箱を用意している点で入門書として好適である。一歩踏み込んだ見解は、現場に積極的に提言する姿勢の表れだ。医療倫理研究所で具体的に関わった人の主張として重みがある。児玉聡、赤林朗訳。(岩波科学ライブラリー、1700円)

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1697234 0 書評 2020/12/13 05:00:00 2020/12/21 11:23:16 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201217-OYT8I50046-T.jpg?type=thumbnail

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