医療倫理超入門 マイケル・ダン著
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評・山内志朗(倫理学者・慶応大教授)
医療倫理は現場における技術と知識の発展に即応していかねばならぬ。変化の激しさゆえに、医療と倫理の間に落差が生じ、人は戸惑い悩むことになる。定評のあった初版の改訂版である本書は、何を踏まえて判断すべきかを、批判的思考法(クリティカル・シンキング)の方法を通じて具体的に教えてくれる。
医療倫理を考えるうえでの思考の道具箱を用意している点で入門書として好適である。一歩踏み込んだ見解は、現場に積極的に提言する姿勢の表れだ。医療倫理研究所で具体的に関わった人の主張として重みがある。児玉聡、赤林朗訳。(岩波科学ライブラリー、1700円)