野本寛一著「採集民俗論」
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農耕牧畜以前の人間社会は自然の恵みに生存の糧を頼る狩猟採集社会だったと言われている。昨年出た『生きもの民俗誌』とこの新刊『採集民俗論』は姉妹本である。前著は日本の動物民俗伝承を広範に渉猟した大著だったが、この新刊も長年にわたる植物民俗研究を集大成した大部の本だ。
山野に自生する植物の果実や
地域社会に伝わるこれらの“食の知恵”の中には、植物群落の遷移と保全をも配慮した不文律も含まれていた。農耕文化の広まりと現代社会の
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農耕牧畜以前の人間社会は自然の恵みに生存の糧を頼る狩猟採集社会だったと言われている。昨年出た『生きもの民俗誌』とこの新刊『採集民俗論』は姉妹本である。前著は日本の動物民俗伝承を広範に渉猟した大著だったが、この新刊も長年にわたる植物民俗研究を集大成した大部の本だ。
山野に自生する植物の果実や
地域社会に伝わるこれらの“食の知恵”の中には、植物群落の遷移と保全をも配慮した不文律も含まれていた。農耕文化の広まりと現代社会の