しのぶ恋 諸田玲子著 文芸春秋 1600円
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浮世絵から短編紡ぐ
評・長田育恵(劇作家)
なんと鮮やかな趣向。「浮世七景」と副題を冠するこの本は、七人の浮世絵師たちの傑作に、著者が丹念に向かい合い、それぞれの絵から自由
幕開けは広重を材に取る「太鼓橋雪景色」。一面の白に覆われた景色の下から、ひわの初恋が
塗り重ねられた白の下に潜む鮮烈な色。それは心に秘めた
歌麿「深く忍恋」からは、純愛を貫くためなら、長
七編通して刻まれる人生の機微。傷痕は、時が
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なんと鮮やかな趣向。「浮世七景」と副題を冠するこの本は、七人の浮世絵師たちの傑作に、著者が丹念に向かい合い、それぞれの絵から自由
幕開けは広重を材に取る「太鼓橋雪景色」。一面の白に覆われた景色の下から、ひわの初恋が
塗り重ねられた白の下に潜む鮮烈な色。それは心に秘めた
歌麿「深く忍恋」からは、純愛を貫くためなら、長
七編通して刻まれる人生の機微。傷痕は、時が