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魚食から文化を知る 平川敬治著

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評・梅内美華子(歌人)

 本書の副題は「ユダヤ教、キリスト教、イスラム文化と日本」。ここからまず思い浮かべたのは豚を禁食とする宗教である。表題の「魚食」で禁食はあるのだろうか。読み進めると、ユダヤ教の旧約聖書では「食の規定」が細かくあり「ウロコ、ヒレのない魚」は禁食でナマズ、イカ、タコがそれにあたるという。遊牧民が水の生物とあまり馴染なじみがなかった風土が背景にあるが、得体の知れないものへの怖れと戒律で統べてゆく原初宗教の形がうかがわれる。

 そのナマズ、古代エジプトでは神聖視されまた大いに食されたことを遺跡が教える。イカは地中海、ペルシャ湾をはじめキリスト教、イスラムの人たちには一般的な食材であり、初期キリスト教会では魚の絵がシンボルであった。

 著者のフィールドワークは西アジア、古代オリエント世界、イスラエルに及ぶ。漁場や市場、各地の調理法から暮らしが立ち上がり、地勢や宗教と不可分であった魚と人の関わりがダイナミックに展開される。そして日本は尾頭付きの膳からカニカマ、回転寿司ずしまでたくましい。魚から見る文化、目からウロコである。(鳥影社、1800円)

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使い方
1909071 0 書評 2021/03/14 05:00:00 2021/03/22 11:26:17 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/03/20210319-OYT8I50046-T.jpg?type=thumbnail

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