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「顔」の進化 馬場悠男著

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評・梅内美華子(歌人)

 見る、聞く、む、味わう、嗅ぐ、そして呼吸と顔にある器官はフル活動している。また自分の顔を鏡に映しては触れたり、他者の表情から感情を読み取ったりする動物は人間だけだ。顔に関して人間は忙しい。

 本書の副題は「あなたの顔はどこからきたのか」。哺乳類の顔で、鼻、口、耳が一か所に集まっているのは、食物を取り込む口の周囲に感覚器が近づき「それらを統御する脳も発達」したからだという。そして咀嚼そしゃくを顎や顔面筋が支える。顔は外界と命をつなぐ最前線であるのだ。コロナ禍の今は顔の半分をマスクで覆うので眼でコンタクトを取ることが増えた。動物に白眼の部分がほとんど表れていないのは獲物を狙う視線を察せられないためだという。ではヒトの白眼の部分はどんな役割を持っているか。

 人類学者である著者が携わった初期猿人から江戸時代の女性まで、頭骨分析は壮大である。長い時間の中で確かなことは「たった一つしかないあなたの顔」。顔の歴史や支え合う器官を知ると著者が願う「自分を慈しむ」ことにたどりつけるだろう。(講談社ブルーバックス、1000円)

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1942339 0 書評 2021/03/28 05:00:00 2021/04/05 10:19:16 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210401-OYT8I50006-T.jpg?type=thumbnail

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