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超えてみようよ!境界線 村山哲也著

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評・柴崎友香(作家)

 アフリカやアジア諸国での教育開発援助に約30年間携わってきた著者が、各国の人々との交流や食生活をいきいきと描きながら、国境、人種、文化、歴史など常に揺れ動く「境界」に考えを巡らせ、問い続ける本だ。こちら側とあちら側の立場、見方も、人と関わる中で変化する。50歳のときルワンダでの交通事故で下半身麻痺まひの障害を負い、支援する側から支援を受ける側になってまた別の「境界」に気づかされる。

 著者は、違う状況に飛び込むたびに、経験でジャッジせず、積み上げてきた知識や意識を組み直すことをいとわない。どんなできごとにも実直に対峙たいじしていくからこそ、読む人も思考や心を揺さぶられる。

 コロナ禍で物理的に外国との交流が難しくなっただけでなく、今の日本では外国や新しい環境に挑戦する余裕が減っている。若い人へ語りかけるように率直な言葉で書かれたこの本は、好奇心を呼び起こし、勇気づけてくれる。

 なぜ海外へ行くのかとの問いに「世界は開いているから仕方がない」と答えるその風通しのよさに、視界が広くなった。(かもがわ出版、2200円)

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1959577 0 書評 2021/04/04 05:00:00 2021/04/12 16:38:05 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210409-OYT8I50060-T.jpg?type=thumbnail

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