21世紀の恋愛 リーヴ・ストロームクヴィスト著

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評・柴崎友香(作家)

 レオナルド・ディカプリオはなぜ20代のモデルと次々つきあっては別れるのか、との疑問から始まり、深い哲学的な問いへと いざな う。理性的で自由な選択が価値あるものとされる現在、恋愛はかえって難しくなった。資本主義社会で自分の価値を高めることが重視され、人間関係も「自己評価の鏡」となりがちな中、「他者」との恋愛はどう可能なのか。

 著者は、スウェーデンの女性。絶妙な表現力のあるマンガ形式で語りかける。インドやギリシャの神話、ソクラテスやヘーゲルから現代の哲学、文化人たちが記した恋愛の経験、ビヨンセなどのポップカルチャーまで織り交ぜつつ、問いは絡まりながら進む。

 価値観や新しい考え方は、常に揺れ動き、危うさを はら む。わかりやすい結論を提示せず考え続けるので、読んだら余計に悩みが深くなるかもしれない。女性をめぐる状況が違う日本では「自己犠牲」や「自己責任」などの圧力もあり、より複雑だ。それでも、他者との関係について私は希望を感じたし、恋愛に限らない問いとしても誰かと話したくなる楽しい本だ。よこのなな訳。(花伝社、1980円)

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2104370 0 書評 2021/06/06 05:00:00 2021/07/21 11:46:52 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210610-OYT8I50067-T.jpg?type=thumbnail

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