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和食文化学入門 京都府立大学和食文化学科監修

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評・佐藤信(古代史学者、東京大名誉教授)

 和食は、「和食;日本人の伝統的な食文化―正月を例として―」が2013年にユネスコの無形文化遺産一覧表に記載され、また最近食文化を登録文化財として扱うこととなり、国内外で注目を集めている。

 本書は、新設の京都府立大学和食文化学科の監修で、和食文化を総合的かつ学術的に位置づけようとした内容である。作る、食べる、通わせるの三部構成で、農耕、漬けものや料理書の歴史、発酵、酒・米の食品科学や栄養学のほか、おもてなし・まちづくりと食生活の関係まで、そしてユネスコ無形文化遺産への経緯など、多彩な論考からなる。

 農学・歴史学・食品学・栄養学・国文学・都市計画学などからの学際的な視角は、新鮮。とくに、外食の拡大など食生活の変化に応じた飲食店・都市構造の 変貌へんぼう への展望や、ユネスコ無形文化遺産としては、自然を尊重する社会的慣習が評価され、商業主義や料理の特定が排されたことは、重要な論点であろう。

 文理研究の融合や、京都に限らない郷土料理への視点も望まれるが、和食文化学への招待として、盛り 沢山だくさん で示唆に富む書といえる。(臨川書店、3080円)

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2120364 0 書評 2021/06/13 05:00:00 2021/07/26 16:26:41 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210618-OYT8I50033-T.jpg?type=thumbnail

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