介助の仕事 立岩真也著

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評・柴崎友香(作家)

 人の近くで人を助ける仕事について、身体がなくならない限りその仕事がなくなることはない、と著者は書き始める。「重度訪問介護従業者養成研修」での講義を元にした語りは読みやすい。とはいえ「現実はややこしい」ので深く知りたい人への案内が随所にある。制度や組織、理念や歴史を紹介しつつ、どのようにすれば可能かを実践し続けてきた経験は、現実的で興味深く、説得力がある。

 障害者の介助をする大学院生や、自らヘルパーの事業所を経営する身体に障害のある人などのエピソードが紹介される。助けられる側と助ける側は一面的に捉えられがちだ。近年の状況から介護関連の仕事は困難で仕方ないとの先入観や圧力も世の中にある。平明な語りにはその困難に 対峙たいじ してきた力強さがあり、人がどこでどう暮らすか決める意志と権利、行政にどう求めるか、複数の組織がある重要性など、仕事を経済的にも関係的にも成り立たせるために、様々な角度から可能性が示されている。

 「優生思想」にどう あらが っていくかについて書かれた章や言葉は特に、何度もじっくり読んでいきたい。(ちくま新書、902円)

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2177100 0 書評 2021/07/04 05:00:00 2021/07/29 11:01:21 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210707-OYT8I50035-T.jpg?type=thumbnail

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