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桃山鈴子著「わたしはイモムシ」

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「トビモンオオエダシャクの幼虫とアケビの蔓」
「トビモンオオエダシャクの幼虫とアケビの蔓」

 木からイモムシが落ちてきたら跳びあがる人でも、本書を開けば、イモムシを愛らしく感じるに違いない。ひょっとすると、著者のようにイモムシに話しかけたり、アケビの つる に擬態するトビモンオオエダシャクをみて「忍法隠れ身の術」とつぶやいたりするようになるかもしれない。

 イモムシ画家である著者の一日は、色鮮やかで個性的なイモムシを観察することから始まるという。コーヒーと絵画制作の七つ道具を持ってイモムシたちと過ごす至福の時。我関せずに動くイモムシと過ごす時間、著者は人間社会のわずらわしさから解放され、食草や天敵である鳥、そして雨風や太陽まで、イモムシの環世界を形づくる「とても大きな何か」の 欠片かけら に触れる体験をするそうだ。

 精巧なイモムシの「展開図」から 孵化ふか蛹化ようか の姿、山水画まで、本書の美しい絵と添えられたユーモラスな言葉は、たしかに著者の言うとおり、「ロケットに乗らなくても、行ける宇宙」をみせてくれる。(工作舎、4180円)

 評・小川さやか

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2215205 1 書評 2021/07/18 05:00:00 2021/07/18 05:00:00 「トビモンオオエダシャクの幼虫とアケビの蔓」(※キャプションは必ず入れて下さい) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210717-OYT8I50040-T.jpg?type=thumbnail

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