日本サウナ史 草なぎ洋平著

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評・橋本倫史(ノンフィクションライター)

 昨今のサウナブームにより、サウナに対する関心が高まるにつれ、不確かなサウナ史がインターネットに出回るようになった。そんな状況を ただ すべく、『日本サウナ史』が出版された。著者はサウナ経営者でもなければ研究者でもなく、サウナ好きの一編集者だ。

 サウナの起源はフィンランドにある。戦前の日本では、陸上競技関係者がまずサウナに注目し、戦後に「日本式サウナ風呂」が誕生。風俗店と混同される受難の時代を経て、前回の東京オリンピック後にサウナブームが到来する――その経緯を、 数多あまた の資料を渉猟しながら解き明かす。著者が つづ る日本のサウナ史は、大河ドラマのようですこぶる面白い。その歴史は、海の向こうの未知なる世界に目を輝かせた日本人の軌跡であり、注目されてこなかった近代史でもある。最終章で著者が展開する壮大な新説に、思わず息を んだ。

 サウナ史には先行研究が極めて少なく、今後の新発見を見込んで、本書は「私家版」として刊行されている。自ら出版社まで設立し、私財を投じて3000部も制作した心意気に胸を打たれる。(amami、3960円)

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2394391 0 書評 2021/09/26 05:00:00 2021/10/04 10:50:23 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210929-OYT8I50039-T.jpg?type=thumbnail

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