『世界を一枚の紙の上に 歴史を変えたダイアグラムと主題地図の誕生』大田暁雄著(オーム社) 4950円

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評・柴崎友香(作家)

「もっとも重要な栽培植物の分布地域」(本書より)
「もっとも重要な栽培植物の分布地域」(本書より)

 自分の目では見ることができない世界や地域の様々なイメージを容易に思い浮かべられるのは、多様な地図が作られてきたからだ。地形や自然現象、社会的統計などの全体像をどう紙の上に表して伝えるか、近代の試みの過程を詳細に整理したこの本を読むと、1枚の地図にいかに多くの要素が織り込まれているかに驚き、視界が広がっていく。

『ミシンと金魚』永井みみ著(集英社) 1540円

 標高による植物の分布図に始まり、その表現の変遷を追うと、地図は地理や統計、思想、美術などを総合したものだとよくわかる。地図としての視覚化が近代国家の形成や産業の発展の中で人々の世界の見方に影響してきた歴史が、豊富な図版と共に示されている。

 「地図を読む」との言い方があるが、地図を見る時はまさに1枚に書き込まれた多様な事項を読み取り、推察、想像する。この本は地図を読む楽しみを何倍にもしてくれる。

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2782962 0 書評 2022/02/25 05:20:00 2022/02/25 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/02/20220221-OYT8I50003-T.jpg?type=thumbnail

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