「次、準備しよう」大杉漣さんは言葉を残し佐向大監督は不敵な快作を撮った…足立智充さん・玉置玲央さん主演「夜を走る」

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力発揮できる現場の空気

玉置玲央さん=桐山弘太撮影
玉置玲央さん=桐山弘太撮影

  玉置  「教誨師」の時はもう漣さんがすべてをつかさどる太陽みたいな感じだった。すごかったです。誰も彼もが自分の能力とやりたいと思っている意欲を200%発揮できる場所を完全に作ってくださったんですよ。それはもしかしたら佐向さんに対してもだし、俳優たちにもだし。

  足立  今思えば、佐向さん、そういうのは、すごく意識して(「夜を走る」の現場で)やってたんだろうな。みんな、それぞれに居場所がしっかりあるような、いい空気はかなり作ってくれてるなってずっと思ってましたね。でも急に撮影後半に佐向さんがほめ出すような流れなかった? それまで全然言わなかったのに。これ、なあになあにって(思った)。

  玉置  でも、自分が気にいってないことに対する態度、わかりやすいですよね。

  足立  わかりやすいですね。あ、これ全然納得いってねえなって。

秋本=足立さんは菩薩像のごとくアルカイック

  足立  僕が大好きなシーンは、(谷口の妻役の)菜葉菜さんが玉置くんに、「裏切ったことある?」って聞くところ。ぞっとします。

  玉置  いいですね。僕もすごく好きです。

  足立  全然似てないんですけれど、俺が踊ったり、とっぴなものが始まるようなものの時に、こんなように受け取られたらいいなと思っていたのは、三池(崇史)さんの「DEAD OR ALIVE 犯罪者」の最後にロケットランチャー出したり、いきなり元気玉みたいのが出てくるとんでもない流れあるじゃないですか。

  玉置  突拍子もないやつ。

  足立  最後地球爆発します、みたいな。そういうのが似てたらいいなと思ってます。

  玉置  僕は、見るたびに受け取る印象が変わる映画だなと思って。足立さんが演じる秋本の表情って、 菩薩(ぼさつ) 像じゃないですけれど、アルカイック。見る瞬間によって全然違って見えるんですよ。「秋本怖い」って思う時もあるし、「わかるよ秋本、かわいい人だな」って思う時もある。応援したくなる時もあるし、「なんで、それ、にやにや受け入れてるんだよ」って思うこともあるし。今、家の壁にポスター貼ってるんですけれど、すげーやさしい笑顔じゃんって思う時もあって。それを体現している足立さん、すげーんだなと思いました。

  足立  ふっ。ありがとうございます。キャッチコピーにしたい。菩薩。

  玉置  これすごい理想だな、と思いました、俳優の。俳優がやってることを、受け手のタイミングで好きに寄り添えるって、これ、 脚本(ほん) なのか俳優なのか演出なのか、どれがどうバランスとればそうなるのかわかんないですけども、そういうふうになれるのって面白いなと思ったんですよね。

(C)2021「夜を走る」製作委員会
(C)2021「夜を走る」製作委員会

 ◆ 足立智充 (あだち・ともみつ)=1979年生まれ。日本大学芸術学部在学中より舞台を中心に活動を始める。2008年に演劇ユニット・チェルフィッチュの「フリータイム」に出演。以後も同ユニットの作品に参加。映画出演作に「きみの鳥はうたえる」「ふたつのシルエット」など。

 ◆ 玉置玲央 (たまおき・れお)=1985年生まれ。劇団柿喰う客所属。劇団公演のほか、多数の舞台に出演。映画初出演の「教誨師」の演技で毎日映画コンクール・スポニチグランプリ新人賞を受賞。主なドラマ出演作に「おかえりモネ」など。

 ◎ 「夜を走る」 =上映時間:2時間5分、配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム=東京・テアトル新宿で公開中、5月27日から東京・ユーロスペースほか全国順次公開。

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