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「お風呂に入れてご飯を食べて、ファンも増えた」…健康センターは純烈の「命の恩人」

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 「君がそばにいるから 悩むことはないのさ――」

 畳敷きの大広間に、4人の甘く軽やかな歌声が響いていた。今年4月12日、ムード歌謡グループの純烈が「東京お台場 大江戸温泉物語」でライブを行い、新曲「君がそばにいるから」など10曲を披露した。「スーパー銭湯アイドル」と呼ばれる彼らが、“ホーム”といえる温浴施設のステージに立つのは、1年2か月ぶり。無論、新型コロナウイルスの感染拡大の影響だ。会場の景色も従来とは一変した。観客による声援や歌は禁止。メンバーが客席に降りて握手などをする呼び物「ラウンド」も行われなかった。

「大江戸温泉物語」のステージに久々に立った純烈。ファンはライトを振って応援した(今年4月12日)
「大江戸温泉物語」のステージに久々に立った純烈。ファンはライトを振って応援した(今年4月12日)

「紅白」なんて、チョンチョロリンや

 身近な場所でファンと触れ合うという、最大の武器を奪われてしまった4人。それでも、大阪出身のリーダー、酒井一圭かずよし(45)は明るく語る。「コロナでの純烈、さあどうすんねん、と大喜利のお題を出されているみたい」。この男、どんな状況でも不思議なほど前向きなのだ。

 「紅白」なんて、チョンチョロリンや――。リードボーカルを務める白川裕二郎(44)は、酒井の言葉が忘れられない。前向きを通り越し、軽くていいかげん。2007年、純烈の結成を持ちかけられた時のことだ。「『あえて2、3年かけて紅白に出る。そうじゃないとストーリー性が出なくて面白くないから』とも言っていた」。最年少メンバー、後上ごがみ翔太(34)も、あきれ顔で振り返る。

 最年長の小田井おだい涼平(50)は一度、誘いを断っていた。「(酒井の構想が)あまりにも漠然としていたから。当時、僕は30代半ば。歌という未知の世界で生きていこうなんて自信がなかったしね」。誘われたメンバーの多くは、「仮面ライダー」や「スーパー戦隊」のシリーズ作品で活躍した俳優たち。歌手経験はなかった。

 加入を拒否していた小田井の心を動かしたのは、「新宿コマ劇場」(2008年閉館)にあった北島三郎座長公演のポスターだった。この手があるのか。座長公演は、歌手らが歌謡ショーと芝居の2本立てで構成する。「(酒井の誘いに)乗っかるための理由付けにした。まさか、つながるとは思っていなかったけど」

 その、まさかが実現する。純烈は7月2日から、東京・浜町の劇場「明治座」で座長公演を行うことになった。2週間以上、25公演を超える長丁場。前川清、瀬川瑛子らゲストを招くコンサートと、ニューヨークを舞台にしたコメディー「ラブレターを取り返せ!」の2本立てで行う。酒井は「座長公演は、僕らにはまだ早い」と謙虚さを見せる。その一方で、「白川や小田井があのまま俳優を続けていたら、座長をやることはなかった。ヒーロー出身の俳優はごろごろいるから、僕らはこっちから迂回うかいしていくんだ。そう説得していたんですよ」。

 白川は「舞台はリアルにお客さんの反応が返ってきて怖いところもあるけれど、役者冥利みょうりに尽きる。いっちょやってやろうと思っている」と語りつつ、「今だから正しかったと言えるけれど、僕らは10年以上、だまされ続けたんですよ。この人、生粋の詐欺師です」と、酒井に矛先を向ける。

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2102712 0 音楽 2021/06/05 05:00:00 2021/06/12 09:05:47 2021/06/12 09:05:47 6月に初座長公演を控える人気男性コーラスグループ「純烈」(1日午後1時58分、東京都中央区で)=須藤菜々子撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210604-OYT1I50114-T.jpg?type=thumbnail

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