進化するキング・クリムゾン、コロナ下の来日…“クレイジーな”トリプルドラム

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 新型コロナの影響で海外アーティストの来日が難しい状況が続く。そんな中、大物バンド、キング・クリムゾンがやって来た。英国で結成され、1969年に初アルバム「クリムゾン・キングの宮殿」を発表。以来、半世紀以上、メンバー、音楽性ともに変化を繰り返しながら、常に斬新で、実験的で、スリリングな音楽を生み出してきた。11月27日から始まる日本ツアーを前に、ボーカル、ギターのジャッコ・ジャクジクに聞いた。(文化部・桜井学)

 今回の来日メンバーは、2015年、18年の日本公演に参加したジャッコのほか、総帥・ロバート・フリップ(ギター)。1970年代にもバンドメンバーだったメル・コリンズ(サックス)。80年代からの仲間、トニー・レヴィン(ベース)。そして、パット・マステロット、ギャヴィン・ハリソン、ジェレミー・ステイシーのドラマー3人。近年のクリムゾンはステージに並ぶ3台のドラムセットから繰り出される多彩なビートが大きな特色になっている。

4時間半に及ぶレパートリーから選曲

ジャッコ・ジャクジク 写真・Claudia Hahn
ジャッコ・ジャクジク 写真・Claudia Hahn

――コロナの影響で、海外からの入国者はホテルなどでの待機期間がまだ必要です。こんな時によく来てくれました。

ジャッコ・ジャクジク(以下、J)  日本に来るのは、7回目か8回目。クリムゾンでは3回目。文化も食べ物も……日本が大好きなんだ。ホテルに缶詰めになっているのは、頭がおかしくなりそうだけど(笑)。

――ドラムス、キーボードのビル・リーフリンが昨年、亡くなりました。演奏する曲目ははどうなるのですか?

 実はまだ分からない。今、我々には演奏可能なレパートリーが約4時間半分あるんだ。その中からロバートが日替わりで指示してくる。今年の米国ツアーは前座のバンドがいたので、長く演奏できなかった。米国での公演より曲数は増えると思うよ。

――近年のトリプルドラム体制の話を最初に聞いたときはどう思った?

 クレイジーだと思ったね(笑)。それをバックに歌うなんて恐ろしい、と。普通はシンガーがステージの前の方に立つんだけど、3台のドラムセットが前にある。音もすごいんだけど、見た目も面白いだろう。まるでミニ・オーケストラみたい。今、誰がメインのパートを演奏しているのかって、見入ってしまうだろ。

――それが昔の曲でも新鮮に聴こえる大きな要因になっていると思います。

 ドラムスのパートの構築については、ギャヴィンに負うところが大きい。彼は子供の時からクリムゾンを聴いてきた、という感じではないので、オリジナルにとらわれることなく、斬新なリズムを作れるんだ。

「調子はどう?」突然、ロバート・フリップから電話

キング・クリムゾン 写真・Dean Stockings
キング・クリムゾン 写真・Dean Stockings

――活動がストップしていたクリムゾンがツアーを再開し、15年には来日しました。11年発表のあなたやロバート、メルによるアルバム「ア・スケアシティ・オブ・ミラクルズ」が、復活のきっかけになったのですか。

 そうだね。あれが今のクリムゾンの原点だと思う。制作当時は(クリムゾン復活の話はなく)ロバートが一緒にやりたいミュージシャンを集めて即興演奏したということに過ぎなかった。でも、今のメンバーのトニーやギャヴィンが参加していたんだからね。

――その前の2000年代に、あなたはクリムゾンの初期メンバーがバンドの古い曲を演奏する「21stセンチュリー・スキッツォイド・バンド」で歌っていました。クリムゾンで作詞を担当したピート・シンフィールドの推薦で参加したと聞きますが。

 ピートとは以前からの知り合いでね。僕の参加作が米国でヒットした時、音楽出版の人が、「共作者の候補者リスト」みたいなものを持ってきて、そこにピートの名前もあった。彼はセリーヌ・ディオンらに作品を提供して、ポップの世界でも成功したんだ。それで彼と知り合った。「21st」の話が出た時、ピートが僕をメンバーに推薦してくれた。バンドのリハーサルをしていた頃、「調子はどう?」と突然、ロバートから電話がかかってきたんだ。それで彼とも話すようになった。

「歴代シンガーを子どもの頃から聴いてきたから」

――クリムゾンにはいろいろなシンガーが参加してきましたが、あなたの声はどのシンガーの曲にもうまくマッチしていますね。

 グレッグ・レイク、ボズ・バレル、ジョン・ウェットン……とクリムゾンの歴代シンガーを子どもの頃からずっと聴いて、影響を受けたからね。マネをしているんじゃなくて、自分らしく歌おうとすると、こんな感じになるんだよ。

――日本のファンにメッセージを。

 来日できてうれしい。我々がここで演奏するのは最後になるかもしれないが、日本は大好きだから、個人的にまた戻ってきたい。

活動休止と復活を繰り返してきたバンド…来月8日まで各地で公演

 メンバーの年齢を考えれば仕方がないことかもしれないが、「最後かも」と言われると寂しい。一方、クリムゾンは活動休止と復活を繰り返してきたバンドで、先のことは読めず、またいつか、と期待も抱いてしまう。いずれにせよ、今回の公演は行かねばなるまい。

 来日公演の日程は以下の通り。
27、28日、東京国際フォーラム
30日、名古屋市公会堂
12月2、3日、大阪・フェスティバルホール
5日、東京・立川ステージガーデン
7、8日、東京・渋谷 オーチャードホール
▽問い合わせ先 クリエイティブマンプロダクション(電)03・3499・6669

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使い方
2550646 0 音楽 2021/11/26 18:03:00 2021/11/26 20:36:33 2021/11/26 20:36:33 キング・クリムゾン 写真・Dean Stockings https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/11/20211125-OYT1I50094-T.jpg?type=thumbnail

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