イチローズモルトのハーモニー響くヘッドホン…仕込み樽を再生、肥土社長「良質な音がブレンド」

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多胡さん(左)と肥土社長(高崎市で)
多胡さん(左)と肥土社長(高崎市で)

 高崎市営のレコーディングスタジオを運営する「TAGO STUDIO」(タゴ・スタジオ)は、世界的に評価の高いウイスキー「イチローズモルト」を仕込んだ たる を外装材(ハウジング)に使ったヘッドホンを開発した。樽としての役割を終えた木材を使用することで、持続可能な社会への一助となることを目指す。

 同スタジオでは、運営責任者の多胡邦夫さん(48)が作曲家であることから、材料に 無垢材むくざい を使って自然な音を再現できる高級ヘッドホンを開発してきた。その中で、使われなくなった木材の再利用として、廃樽が材料の候補になった。

 多胡さんは今年6月、高品質なウイスキーが世界的に注目されている埼玉県秩父市の「ベンチャーウイスキー」を訪ね、同社の 肥土あくと 伊知郎社長(56)に協力を要請。肥土社長は「(ヘッドホンには)一つ一つの良質な音がブレンドされてくる。ブレンドウイスキーも多彩な原酒を混ぜて一つの作品を作るという意味では同じ」と提供を快諾した。

 提供を受けたのはホワイトオーク材の3樽。米国でバーボン樽として使われた後、約20年間、イチローズモルト「ホワイトラベル」の原酒が仕込まれていた。1樽が約50台前後のヘッドホンの材料になるという。

 多胡さんは、樽に素材としてだけではなく、イチローズモルトの歴史の証人であるという背景にも魅力を感じている。元々、肥土社長の父が酒造会社を経営し、ウイスキーも仕込んでいたが、経営不振から会社を営業譲渡してしまう。

 大量のウイスキー原酒は廃棄される運命にあったが、他の酒造会社に一時的に買い取ってもらい、肥土社長がベンチャーウイスキーを設立して買い戻した。世界的なウイスキーブームが到来し、さらに品質の高さから名は広まっていった。同社のウイスキーは、19年には54本セットが約9750万円で落札されたほどだ。

 多胡さんは「樽はただの廃材ではなく、ウイスキーを巡る人生が詰まっていることにも価値がある」と話す。ヘッドホンは「ヒストリック・ホン」シリーズ第1弾とし、今後も開発を続ける。

 1台6万9000円(税別)。予約は10日から、タゴ・スタジオのホームページで受け付ける。問い合わせは同スタジオ(027・395・0044)へ。

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使い方
2581521 0 音楽 2021/12/08 20:39:00 2021/12/08 22:40:16 2021/12/08 22:40:16 多胡さん(左)と肥土社長(12日、高崎市で)(11月12日午後2時33分)=丹下信之撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/12/20211207-OYT1I50035-T-e1638970810257.jpg?type=thumbnail

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