文字サイズ
    文化庁から「日本遺産」に認定された全国各地の文化財・伝統芸能をご紹介します。
    東北

    政宗が育んだ“伊達”な文化【宮城】

     【概要】仙台藩を築いた伊達政宗は、戦国大名として政治・軍事面での活躍は広く知られるところであるが、時代を代表する文化人でもあり、文化的にも上方に負けない気概で、自らの“都”仙台を創りあげようとした。政宗は、その気概をもって、古代以来東北の地に根付いてきた文化の再興・再生を目指す中で、伊達家で育まれた伝統的な文化を土台に、上方の桃山文化の影響を受けた豪華絢爛、政宗の個性ともいうべき意表を突く粋な斬新さ、さらには海外の文化に触発された国際性、といった時代の息吹を汲み取りながら、これまでにない新しい“伊達”な文化を仙台の地に華開かせていった。そして、その文化は政宗だけに留まらず、時代を重ねるにつれ、後の藩主に、さらには仙台から全国へ、そして武士から庶民にまで、さまざまな方面へ広がり、定着し、熟成を加えていった。
    2016年4月認定 。以下は、認定申請書類から引用>

    政宗による文化の確立

     伊達政宗は、政治の拠点として新たに仙台城を築くにあたり、これまでの伝統を重視する姿勢を見せた。仙台は古代陸奥国府の所在地である宮城郡に位置することもあり、この地の名所・旧跡の再興と再生に力を尽くした。奈良時代の陸奥国分寺跡に薬師堂を建立し、平安時代の坂上田村麻呂ゆかりの、さらには室町時代の奥州探題大崎氏崇敬の大崎八幡宮を仙台に移転させ、鎌倉時代以来陸奥国随一の名刹と称された松島円福寺を瑞巌円福禅寺として再興した。その際に、畿内から当代一流の技術者を呼び寄せ、手の込んだ彫刻や極彩色からなる装飾性豊かな建造物や、金地に色彩豊かな濃絵で描かれた豪華絢爛な障壁画といった、桃山文化の豪壮華麗な手法を取り入れた。

     一方で、伝統的な水墨画の世界も同時に取り入れている点に特徴がある。また具足や衣装などにも、斬新な美意識が徹底されている。

     さらに南蛮文化の影響も受け、西洋世界への関心の高まりもみられる。政宗の文化的素養は、和歌や連歌、茶の湯、能楽、香といった伝統的な文化にも発揮された。これらは伊達家伝来の学を通して身につけられ、当代一流の文化人との交流の中で、磨かれていった。

    2017年03月31日 10時50分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR情報
    PR
    今週のPICK UP