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    「一番弟子」の「父よ」に泣いた武智祭

     武智健二さんの武智祭をやってきました。特撮的には、超力戦隊オーレンジャーのオーグリーンのスーツアクターを務められた武智さん、近年の340Presentsにはたびたびご出演いただいているような気がしますがいつも緑の面をとってくださらないので、確信は持てません(笑)。

    • ダイナマンを卯木さんと歌う武智さん
      ダイナマンを卯木さんと歌う武智さん

     武智さんは愛媛県出身。ご本人いわく、ものすごく田舎で暮らされていたそうで、お風呂は五右衛門風呂、おのでまきを割るような生活をされていたそうです。山に登れば大自然が広がっている環境なので、小学校の頃の夏休みには、ラジオ体操に行く前に山に行ってカブト虫やクワガタを捕り、それを喫茶店のマスターに売って、そのお金でアイスなどを食べていたそうです。どのくらい田舎かというと、後に師匠となる大葉健二さんが、稽古が夜遅くなって送ってきてくれて「もう二度と来ない!」と叫んだほど山深いんだとか(笑)。

     真田広之さんの登場でジャパンアクションンクラブ(JAC)の存在を知り、時代劇の殺陣などに憧れた武智さん。小学校の時から竹を切って刀を作り、近隣の野草を切って時代劇ごっこのようなことをされていたのだとか。もっとも野草を切っている分にはよかったのですが、近くの菜の花畑を1枚(!)まるまる切り倒してしまったこともあり、大目玉を食らった経験もあるそうです。

     中学卒業後、JACに入るためすぐに上京したかったのだけれど、一緒に暮らしていた祖父母に「高校には行ってくれ」と言われ、愛媛にとどまった武智少年。ちょうどそのくらいのタイミングで、前述の大葉さんが愛媛に戻り、ヒーローショーなどをやる会社を始めました。なので、そこでアクションの稽古をしてもらい、週末はショーに出るような日々を送っていたそうです。

     大葉さんは東京を離れる時に、千葉真一さんと「地元で弟子ができたら、一人はJACに入れろ」という約束をしていたそうで、約束通り、武智さんがJACに入ることになりました。オーディションとかは特になく、武智さんを紹介するプロモーションビデオを大葉さん自身が演出、撮影を担当して作ってくれたのだそうです。

     いったん上京しましたが、東京には「わずか1泊」で、翌日には日光江戸村へ。そこで、大忍者劇場に出演したのが、上京後の初仕事となります。厳密には東京での仕事じゃないけど、「江戸」だから(笑)。江戸村の当時の「JAC寮」には先輩ばかりが住んでいて、ざっと名前をあげただけでも、岡元次郎さん、清家利一さん、喜多川務さん、今井靖彦さんなどなど、多士済々。なんかそんな人たちが一つの建物の中にいるってすごい…と息をのんでお話を聞いてしまった。

    • いいんだよグリーンだよズ登場。左の人は喜八さんに、右の人は武智さんに似ている、と思うんですが…(笑)
      いいんだよグリーンだよズ登場。左の人は喜八さんに、右の人は武智さんに似ている、と思うんですが…(笑)
    • 林潔姫が悪に拉致された!助けなきゃ!
      林潔姫が悪に拉致された!助けなきゃ!

    • 成敗!
      成敗!

     お話の途中、休憩をはさみ、第二部冒頭はおなじみ植村喜八郎さんの「喜八劇場」のはずが、いいんだよグリーンだよズの二人組が登場しての「いいんだよグリーンだよズ劇場」に。ひとしきり場内をあおって喝采を浴びていました。さらに、「やっぱ、殺陣が見たいよね~」という党首のむちゃな一言で、横山一敏さん、卯木浩二さんも加わっての時代殺陣も見せていただきました。グリーンだよズさんは、喜八さんとは違うはずなのに(笑)、愛の正拳突きも健在でした。また、終演間近には、横山さん、卯木さん、喜八さん、武智さんの4人による、プリキュアダンスもやっていただきました。なんというかねえ、身体能力がすごいんですわ。なぜそんな簡単に覚えられるのだ、と。でも、皆さんずーっと楽屋ではキュアホイップが解説するダンス動画を見ながら踊っていたんですよ!

    • 愛の正拳突き
      愛の正拳突き
    • ダンスも!
      ダンスも!

    • 喜八さんと西城秀樹を歌う
      喜八さんと西城秀樹を歌う

     一連のこのイベントでJACの方が主役の時には必ず披露される大変なアクション話。今回はオーレンジャー時代のお話でした。バスに皆さんが乗っていて、そのバスが崖から落ち、爆発する直前に全員窓から飛び降りるという場面を撮影した時。「横山さんとかはレッドだから自分のすぐ近くのドアから出るからちょろいんですよ(笑)。だけどこっちは窓だから」と語る武智さん。それでもリハではバスが動いていないから、窓から出るのも「楽勝」と思っていたそうです。ところが、バスが動き出すと、体が動いて窓からうまく出られない。「ヤバイ、このままじゃ爆発する」とブルーのスーツアクター竹内康博さんと大騒ぎの末、なんとか脱出したのだけれど、撮影が終わったらリアルに面が割れていたそうです。こうやって書いてしまうと3行ですけれど、よく考えたら、そんな場面をリアルに撮影しているってすごいことですよね。ぜひ、皆さん、映像でチェックしてみてください。

     また、これも必ず出てくるY岡伝説。この日もY岡さんの話、色々出ておりました。まるっと言えば、非常に大変なアクションを求められるのだけれど、それは、Y岡さん本人がその大変なアクションをやってしまうから。で、目の前でやられてしまうので、皆、挑戦せざるを得なくなってしまうそうです。そんなY岡さんは、2階から背落ちするのにマットを使わない(!!!!)。そこで飛び出した名言が「俺は背中がマットだ」(!!!!!!)。

     また、2階から飛び降りて、それを逆回転して、「ヒーローが地上から2階に飛び上がった」みたいに使う場面がありますよね。あのとき、Y岡さんは、逆回転したときに不自然だからと、飛び降りて着地する瞬間にも膝を曲げずにいたのだとか(!!!)。いったいどうやって足にかかる負担を逃がしていたのか、まさに超人としか言いようがありません。いつか、いつか、必ずY岡さんに、このイベントに来ていただきたいものです。

    • 歌う武智さん
      歌う武智さん
    • 名乗り!
      名乗り!

     そして、大葉さんの一番弟子である武智さんから、大葉さんのご容体についてのご報告もありました。5月初めに地元愛媛で倒れられた大葉さん、今はリハビリに励まれているそうです。武智さん「時間がかかるかもしれないけれど、頑張ってます。必ず健二さんは皆さんの前に戻ってくるので、応援していてほしい」と話していました。このお話のあとに、「父よ」と歌って「宇宙刑事ギャバン」での父に向けた烈のせりふまで言うというのは武智さんの反則で、お客様はもちろん、私もちょっと泣きそうになってしまいました。

    • 打ち上げの最後に記念撮影しました
      打ち上げの最後に記念撮影しました

     最後に武智さんからのご報告。最近、役者として新たな一歩を踏み出すためにJAEを円満退社したそうです。「これからも一層頑張っていくのでよろしくお願いします」と力強い意思を表明されました。

     最後は、横山さんと二人での名乗り、そしてオーレンジャーの大合唱で幕を閉じた武智祭。次回は11月1日、富永研司さんが登場です。

    2018年08月15日 14時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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