ライブマン、29年ぶりの再会…赤祭16その1

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通路から現れたヒロイン

抱き合って再会を喜ぶ嶋さんと恵さん
抱き合って再会を喜ぶ嶋さんと恵さん

 「勇介、久しぶり! もう、あれから30年もたっちゃったんだねえ」

 あの頃より、少しハスキーになった女性の声が会場に響くと、一瞬の沈黙のあと、地鳴りのような拍手と、それでもまだ半信半疑の悲鳴のような歓声が沸き起こった。舞台の上では、「超獣戦隊ライブマン」のレッドファルコン・天宮勇介を演じた嶋大輔さんが、ぽかんと口を開けて、声のする方向を見つめている。青いシャツを格好良くまとったハスキーボイスの持ち主の姿が、薄暗いライブハウスの通路の向こうから見えてくると、嶋さんの顔に驚きが広がり、やがて、うっすらとその目がうるんだ。

嶋さん登場!
嶋さん登場!
「サプライズがありまーす」と党首
「サプライズがありまーす」と党首

きょとん?
きょとん?
「ええええ?」
「ええええ?」

笑顔の森さん
笑顔の森さん

 女性の名は、森恵さん。1980年代日本を代表するアイドルの一人にして、ライブマンのブルードルフィン・岬めぐみを演じた元女優である。ライブマンの少し後に芸能界を引退してから、イベントに出てきたのは、おそらくこれが初めてだ。30年、いや正確に言うなら最終回から約29年の時を経て、アイドルから大人の女性へと美しい変身を遂げたその人が、そこに立っていた。

 8月25日に開催した「赤祭16」は、私が毎年主催しているスーパー戦隊シリーズのレッドを演じた俳優たちによるトークイベントだ。始めた時は1回きりのイベントのつもりだったのだが、今年で15周年を迎えることになった。出演してくれる「元レッド」の数も、年を追って増えてきている。

飛び込んできた消息

今回の功労者、健太さん(右端)と話す嶋さん
今回の功労者、健太さん(右端)と話す嶋さん

 今回、嶋さんに出演依頼をしてくれたのは、ライブマンの次の戦隊、高速戦隊ターボレンジャーのレッドターボ・炎力役の佐藤健太さんだ。健太さんに「せっかくのライブマン30周年だから、ライブマンの出演者や関係者もお呼びしてお祝いしましょうよ」と言われ、いろいろと検討を重ねていた。

 しかし、なかなか妙案が浮かばなかった。そもそも、嶋さん自身も撮影などで多忙であり、イベントに来てくれることが確定したのは、2週間ほど前である。レッドであり、主題歌歌手でもある嶋さんが来てくださること自体が、わが赤祭にとっては超ど級のサプライズなのだ。もう30周年には十分すぎるほど十分ではないか、と実は心の中で思っていた。

 そんな矢先のことだ。ひょんなことから、私の「戦隊情報網」に森さんの消息が飛び込んできたのだ。だが、その時点で、もうイベント1週間前を切っていた。「ダメもとで」と、それでも戦隊への熱い思いを書き連ね、出演依頼をお送りしてみた。すると、仲介の人のご助力もあり、なんと、快諾してくれたではないか。

 あまりにも直前だったこともあり、嶋さんにも他の出演者にも伏せての完全サプライズゲストとすることを決意した。そして、イベント終盤、実現したのが冒頭の場面なのである。客席はもちろん、舞台上も、楽屋も、蜂の巣をつついたような大騒ぎとなった。

「本当に驚くと声も出ない」

トークをするお二人
トークをするお二人
仲良くトーク
仲良くトーク

新堀さんともハグ
新堀さんともハグ

 舞台上で2人は、抱き合って再会を喜んだ。変身後のレッドファルコンを演じた新堀和男さんらも大喜びだ。お二人を中心に当時の思い出話に花が咲く。オーディションもなく突然、決まった役のことから監督たちの思い出、アクションのこと、ロケでの苦労などなど。お二人は放送終了以来、本当に全く接点がなく(あの時代、若手アイドルは本当に忙しかった!)この瞬間が、正真正銘、29年ぶりの再会だったが、全然、時間の流れを感じさせない。時を飛び越え、仲良く当時を語り合うヒーローとヒロインたちに、客席では涙する人もいたほど感動的だった。

 イベント後、嶋さんは「本当に驚くと、声も出ないことがよくわかった」と苦笑しながら、喜びのツイッターを更新した。一方、森さんは、実は元俳優の森恵であったことを私生活で明らかにしたのは、「つい先月くらいのこと」と笑顔で打ち明けてくれた。それまでは、周囲に自分の経歴は告げなかったのだという。「だから、もし、出演依頼が数か月前だったら、お受けしなかったかもしれません」と語る森さん。なんとまあ、私の遅すぎた出演依頼が、あり得ないほどのグッドタイミングだったというわけだ。

ライブマン!
ライブマン!
新堀さんの名乗り
新堀さんの名乗り

ブルーとブラック
ブルーとブラック
主題歌を熱唱する二人
主題歌を熱唱する二人

 舞台上で、お二人は「30周年イベントをやりましょう」という提案を、なんと快諾してくれた。これから準備に入るが、おそらく来年前半には開催できるのではないか、と考えている。放送終了30周年になってしまうけれど。

 奇跡とか、運命という言葉を、原稿で安易に使いたくない。それでもやはり、奇跡とか運命としか言いようのない、大いなる力に導かれる出会いというのは存在する。そんなことを確信した赤祭、16回目の夜だった。

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38763 0 日本特撮党 党首の活動報告 2018/08/31 09:30:00 2018/08/31 09:30:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180830-OYT8I50049-T.jpg?type=thumbnail

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