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「約束のネバーランド」原作・白井カイウさんと作画・出水ぽすかさんに思い聞く

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鬼とも共存 当初から考えていた

 運命にあらがい、鬼の世界から「脱獄」する子どもたちの戦い――。「週刊少年ジャンプ」で大人気を博した異色冒険ファンタジー「約束のネバーランド」の完結を記念した「約束のネバーランド展」が、東京・港区の六本木ヒルズ展望台東京シティビューで開催中だ。原作の白井しらいカイウさんと作画の出水でみずぽすかさんに作品に込めた思いを聞いた。(石田汗太)

左から、ノーマン、エマ、レイ。いつまでも眠くならない、子どもたちだけの秘密の夜……。連載終盤の扉絵のひとつ(画像はいずれも ©白井カイウ・出水ぽすか/集英社)
左から、ノーマン、エマ、レイ。いつまでも眠くならない、子どもたちだけの秘密の夜……。連載終盤の扉絵のひとつ(画像はいずれも ©白井カイウ・出水ぽすか/集英社)

秘密の世界

 「約ネバ」イラストの魅力は、「いつまでも見ていたくなること」に尽きる。

 例えば、主人公のエマ、ノーマン、レイがチェス風のゲームで遊んでいるイラスト。盤面のコマは物語に登場したキャラクターたちで、周囲に散らされた小物にも意味がある。楽譜の文字までちゃんと読める。

 「子どもたちだけの秘密の世界っていうのがすごく好き」と、出水さん。「自分の経験というより憧れ。作品の世界を一枚の絵にぎゅっと詰め込みました」

 「出水先生の絵自体が温かくてすてきですけど、小ネタを一つ一つ見つけていくのが本当に楽しい」と、白井さん。「こういうお泊まり感、小さいころを思い出しますよね」

ママ・イザベラと幼いエマたち。子どもたちの「敵」となるママだが、その愛は本物だった
ママ・イザベラと幼いエマたち。子どもたちの「敵」となるママだが、その愛は本物だった

幸せな絵も

 物語は「天国」と「地獄」の間をジェットコースターのように疾走する。愛に包まれた孤児たちのハウスは、鬼の食糧を育てる人間農園だった。真実を知ったエマたちは、飼育監のママを欺いてハウスを脱獄、その外に広がる鬼の世界で、「全員が生き残る方法」を見つけようとする。

 「本編はシリアスですが、出水先生には、幸せな絵もたくさんお願いしました」と白井さん。「ジャンプは月曜日発売なので、週の始まりに、読者の方にあまり重い気持ちになってほしくなかったからです」

子どもたちの「賢さ」表現

 「白井先生の世界観がなければ、出てこなかった絵ばかりです」と出水さん。「エマたちは頭のいい子なので、その賢さを表現することを考えました。あと、私が子どもの頃大好きだった絵本の世界を混ぜてみました。画面の中に、いろんなことをする小さな人物を描き込んだり、みんなで食卓を囲んだりするシーンは、完全に私の好みです」

 「約ネバ」の原点には、グリム童話や日本の昔話などの「怖いおとぎ話」があると白井さん。「小さいころ宮沢賢治の『注文の多い料理店』を読んで、自分が食べられる夢を見たことがある。そういうことも影響しているかもしれません」

人を食べない鬼の少女・ムジカ(左)とエマとの出会いが世界を変えていく。本作で鳥は希望の象徴
人を食べない鬼の少女・ムジカ(左)とエマとの出会いが世界を変えていく。本作で鳥は希望の象徴

友だちに

 人の脳を食して知性を得る鬼の社会は、実は人間社会の鏡像でもある。生きるためにやむなく鬼の手先になる人間もいる。それに気づいたエマは、より困難な共存の道を選び取る。

 「『一緒に生きよう』というのがエマの願いですが、その相手が鬼にまで広がっていく。話の展開は細かく考えていませんでしたが、鬼も殺さない道は? 私たちも他の命を奪って生きている。自分を食べるからと、相手を全滅させるのはどうなのか……というのは、連載当初から考えていましたし、どこかでその疑問に行き着く予感はありました」と白井さん。「ただ、エマがちょっと理解し難い子になってしまうのではと心配でした。大団円まで行けたのは、出水先生の絵の力が大きかった」

「一緒に生きよう」がエマの願い。本作を貫くテーマでもある
「一緒に生きよう」がエマの願い。本作を貫くテーマでもある
最強の鬼・レウウィス大公(中央)と貴族鬼たち。人間狩りを娯楽にしている
最強の鬼・レウウィス大公(中央)と貴族鬼たち。人間狩りを娯楽にしている
人を食べる鬼でも、滅ぼすのはイヤだというエマ。物語が大きく動くシーン
人を食べる鬼でも、滅ぼすのはイヤだというエマ。物語が大きく動くシーン

 「えー、そんなことありませんよ」と出水さん。「エマは、私だったら一番に友だちになりたいと思ういい子。ノーマンとレイも、いいところと危ういところを両方持つ子ですが、この3人が家族としてバランスがとれているのが白井先生の世界。読者のみなさんも、エマたちと友だちになりたいと思ってくれるとうれしい」

(自画像)
(自画像)

原作 白井カイウさん
 2015年、「少年ジャンプ+」読み切り「アシュリー=ゲートの行方」で原作者デビュー。16年、読み切り「ポピィの願い」で出水さんと初コンビを組む。

(自画像)
(自画像)

作画 出水ぽすかさん
 イラストコミュニケーションSNS「pixiv」の人気イラストレーターで漫画家としても活動。他の作品に「魔王だゼッ!!オレカバトル」など。

 ◎白井さん、出水さんへのロングインタビュー詳報を、読売新聞オンラインで後日掲載します。

『約束のネバーランド』

 「週刊少年ジャンプ」2016年35号~20年28号連載。単行本全20巻の全世界累計発行部数は2500万部以上(電子版含む)。第63回小学館漫画賞(少年向け部門)受賞。

イラスト、資料 150点以上…1月11日まで


  ◆連載完結記念 約束のネバーランド展
 劇的でアートの香り高いイラストの数々や、奥深い世界観を示す設定資料など150点以上を展示。「約ネバ」ファンがどっぷり浸れる“秘密の美術館”になっている。

 会期:2021年1月11日(月・祝)まで(会期中無休)
 会場:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー スカイギャラリー(東京都港区)
 観覧料(展望台共通):一般2000円、大学生・高校生1200円、中学生~4歳600円
 問い合わせ先:東京シティビュー((電)03・6406・6652)
 ◎チケットは事前予約制。購入方法など詳細は 東京会場公式サイト で。
 主催:東京シティビュー
 協賛:共同印刷、LINEチケット
 企画:約束のネバーランド展製作委員会(読売新聞社・集英社)

「約ネバ」誕生秘話 編集者インタビュー動画

 「週刊少年ジャンプ」編集者が語る「『約束のネバーランド』誕生秘話」のインタビュー動画はこちらから。

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使い方
1717622 0 サブカル 2020/12/21 17:47:00 2020/12/21 20:14:38 左から、ノーマン、エマ、レイ。いつまでも眠くならない、子どもたちだけの秘密の夜……。連載終盤の扉絵のひとつ https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201221-OYT1I50073-T.jpg?type=thumbnail

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