病にくじけなかった 宮内タカユキさん40周年ライブ

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謎の忍者姿
謎の忍者姿

 アニソン歌手、宮内タカユキさんの歌手活動40周年記念ライブの司会を務めて参りました。昨年9月に予定されていたものの、台風の直撃をくらって延期となっていたライブです。なにげに、これが今年の司会始め、かな。あ、舞台「暗くなるまで待って」のアフタートークは別にして。ライブ数日前から天気予報では、ライブの日に雪マークがついたり消えたりして「台風の次は雪かい!?」とおびえましたが、幸い、お天気もよく、無事、ライブが行われたのでした。

 40周年記念にふさわしく、ゲストは魂の三兄弟のおにいちゃんたち、串田アキラさんとMoJoさんです。気心のしれた仲、ということで全員が、いい意味でリラックスしてリハーサルから取り組んでいました。なんといっても、宮内さんとお二人のオフでのやりとりが面白かった。MoJoさんなんて、ステージに向かう宮内さんに「頑張れ」とか「盛り上げて」とかではなく、なーんと「おい、寝るなよ」と声をかける。それに対して宮内さんがばっさり返した一言が、絶妙でした。「なるべくね」ときたもんだ(笑)。お見事です(笑)。

東京スラムバンドの演奏で歌う宮内さん
東京スラムバンドの演奏で歌う宮内さん
バラードを歌い上げる
バラードを歌い上げる

データ使わず 生バンドならではのレア曲も

 今回のライブは、半オケすら使わず、本当に生バンドの音のみのライブでした。ちなみに、バンドは平均年齢高めの東京スラムバンドさん。年輪を感じさせる演奏でライブを盛り上げてくれました。

 だから、オケが発見されないため歌えずにいたレア曲も満載。「銀牙―流れ星 銀-」の「勝利の詩」とかビデオ戦士レザリオンの「光の世界」とか、はたまた、会場のライブハウス「月見ル君想フ」に掲げられた大きな月にあわせて披露された初代タイガーマスク・佐山聡さんのテーマ曲のひとつ「月のナイフ」とか、お得感たっぷりのラインアップとなりました。

シャウトする
シャウトする

 また、中盤には、串田さんMoJoさんも加わっての「水戸黄門」の寸劇も。黄門役の宮内さんに、助さん格さんの串田さん、MoJoさん。当然(?)私は「お銀」役で、皆さんと一緒に忍者姿で串田さんの本気の指導のもと、なぜかスクワットをしたり、「入浴」(!)したりさせていただきました。「せっかく三人がそろったんですから」で、「ああ人生に涙あり」を3人が歌い始めた時には、客席全体に、うめき声とともに「コレジャナイ…」という動揺も走りましたが、その後、ちゃんと「伝説」も歌っていただけたので安心していただけたのではないかと(笑)。串田さん、MoJoさんからはそれぞれ40周年のお祝いの言葉と歌もいただき、心がほっこりしました。特撮ヒーローと同じで、宮内さんも、仲間に支えられているから頑張れる、頑張ってこられたし、頑張っていけるんだな、と実感しました。

 個人的には、戦隊挿入歌から「星よ、にじむな」(忍者戦隊カクレンジャー)と「海賊(つわもの)たち」(海賊戦隊ゴーカイジャー)を聞けたのが、感涙ものでした。ご存じの方も多いように、宮内さんは2011年の暮れに小脳梗塞で倒れられました。退院からわずか1週間後の2012年初めに予定されていたのが豊島公会堂でのライブで、その時も私は司会を担当していました。まだ表情もしっかりしない宮内さんを前に、いったいどうライブを進行したらいいのか、途方にくれたことを覚えています。

 ところが、舞台に立ち、イントロが流れると、宮内さん、歌ってくれたのですよね。もちろん、声は震え、音程も不安定ではあったけれど、歌うことへの強い思いは消えていなかった。急きょ招集したアニソン界や特撮界の仲間たちにも協力してもらい、3時間近いライブを完走しました。歌う宮内さんにも驚愕(きょうがく)したけれど、あの身体の宮内さんに歌わせることを決意したご家族、スタッフの信頼と度胸にも驚かされました。後に聞いた話では、お医者さまは歌うことももちろん、歩くことすら無理だとおっしゃっていたらしいのです。

場内大盛り上がりです
場内大盛り上がりです
伝説を歌う3人
伝説を歌う3人

 それからも、宮内さんは果敢にライブに挑戦し続けた。実は、私でも、最初の年の夏頃は「少しお休みした方が良いんでは…」と思っていました。満身創痍(そうい)で歌う姿に、「そこまでしなくても」とも思いました。でも、宮内さんにとって歌うことがきっと最高のリハビリだったのですよね。当初はバラードは「歌い方を覚えていなくて歌えない」というお話だったのですが、次第にバラードもレパートリーに復活していった。そして、今回のライブではさきの2曲を含む色々なバラードも見事に歌いあげてくれた。

自分のアニソン・特ソンの歌詞に励まされ

串田先生の指導で謎のスクワット(本気)も
串田先生の指導で謎のスクワット(本気)も

 途中のトークで、宮内さんが言っていました。「くじけずに頑張ろうというアニソンを歌ってきた自分が、ここで病気に負けてしまえば、今まで自分が歌ってきたのはなんだったのかということになる。その思いがずっとあったし、自分の歌の歌詞に励まされた」と(正確ではありませんが、そういう趣旨)。この一言を聞けただけでも、私は司会をやってよかった、と思いました。宮内さんの頑張りはもちろん、アニソン、特ソンというものの、底力を改めて感じさせられました。

皆、勢ぞろいのフィナーレ
皆、勢ぞろいのフィナーレ

 自分の歌う歌の歌詞に励まされ、戦い続けている宮内さんが、2019年の今、歌う歌には、以前とは全く違う説得力があります。そして、自らを鼓舞しながら歌うアニソンは、今日も、そしてこれからも、私を含め多くの人を励ましてくれるのだと思います。そんなことをしみじみ思い、打ち上げの美酒に酔った夜でした。

426742 1 日本特撮党 党首の活動報告 2019/02/07 05:20:00 2019/02/07 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190206-OYT8I50014-T.jpg?type=thumbnail

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