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秘密戦隊ゴレンジャーから現在放送中の機界戦隊ゼンカイジャーまで、45作のスーパー戦隊シリーズから、ロボットの歌だけを集めた6枚組のCDボックス「合体魂」が発売された。収録されているのは、実に122曲の「ロボソン」だ。

戦隊の特徴のひとつに、メンバーが搭乗する巨大ロボットの存在がある。ほとんどの作品で、敵の怪人は等身大での戦いだけでは終わらない。復活して巨大化して暴れ回る。そこに立ち向かうのが合体ロボットだ。力を合わせて戦う戦隊を象徴するかのように、幾つかのマシンが合体してロボットとなって戦うロボ戦はシリーズの華であり、その場面を音楽で盛り上げるのが「ロボソン」である。
なにしろロボソンが全部詰まっているので、1975年のゴレンジャーでのささきいさおさんの「とべ!バリブルーン」や「バリドリーンの歌」と、放送中のゼンカイジャーでのささきさんと堀江美都子さんがデュエットしている「全界合体!ジュラガオーン」を聴き比べるなんていう
時代とともに速くなるテンポ 重厚さはそのまま
さらに、このボックスの面白さは、ロボソンが時系列に沿って並んでいることだ。時代の変化と足並みをそろえ、少しずつ歌が変化してきているのが感じ取れるのだ。日本コロムビアの同シリーズ担当ディレクター、穴井健太郎さんによると、時代が新しくなるにつれて楽曲の速度が少しだけ上がってきているそうだ。理由は、画面の中のロボットたちの戦いそのものが、CGなどの映像技術の進化に伴ってスピーディーになっているからだという。「逆に変わらないのは重厚さ。テンポが速くなっても楽曲が軽くならないように気をつけている。巨大ロボに軽さは似合わないから」と穴井さんは語る。ロボットそれぞれの個性や必殺技が短い曲の中にしっかり盛り込まれていて、聴くだけで名場面が鮮やかによみがえってくる歌詞の秀逸さも、誇るべきロボソンの個性だろう。
ライナーノーツも今回のアルバムの大きな特徴といえる。単なる楽曲解説ではなく、東映プロデューサーら作品の作り手10人がロボソンへの思いを語っている。この人選がまた、いい。選曲担当の宮葉勝行さんや監督の竹本昇さん、脚本家の香村純子さんら、作り手であると同時にシリーズの大ファンである顔ぶれがずらりと並び、読み物としても面白いのだ。こちらは特撮に詳しく、このボックスの企画・構成を担当したライターのトヨタトモヒサさんの提案で実現したそうだ。トヨタさんの特撮と音楽への愛と知識がぎっしり詰まった企画で、さすが、とうならされた。こういう良質なライナーノーツをじっくり楽しめるのは、CDというメディアならではの楽しみである。
正直なところ、コテコテのロボソンばかりを続けて聴いたら、おなかいっぱいになってしまうのではないかと危惧していた。しかし、
