福島空港「低空飛行」利用客数、ピーク時の3割

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 今年開港25周年を迎えた福島空港は、昨年度の利用客数がピーク時の約3割にとどまり、定期運航も全日空・大阪、札幌便の2路線のみになるなど、「低空飛行」が続いている。県はチャーター便の誘致に活路を探るが、不採算路線の見直しや東京電力福島第一原発事故後続く国際定期便の運休により、視界不良の状態が続いている。

 21日朝、ベトナムからの観光客約120人が福島空港に降り立った。空港事務所や地元玉川村の職員らが「福島へようこそ」と大書したベトナム語の横断幕で出迎えた。家族3人で訪れた大学講師の男性(52)は「福島は初めて。おいしい果物をたくさん食べたい」と笑顔で話した。

 定期路線を増やすきっかけにしようと、福島県は国内、国際線のチャーター便誘致に注力し、今年度は過去最多の226便が降り立つ見通しだ。特にベトナムや台湾からの便が人気で、県は今年度当初予算にチャーター便を誘致する旅行会社への助成金約1億2200万円を計上し、その後約1億2300万円をプラス補正した。内堀知事も「チャーター便を増やし、定期路線をつくる取り組みを、思いを一つにして進めていきたい」と語る。ただ、その内情はいまだ乱気流のまっただ中だ。

 福島空港が開港したのは1993年3月。札幌、名古屋、大阪便からスタートし、その後福岡、函館、沖縄便などの開設が相次いだ。利用客数は急増し、国際線旅客ターミナルビルができて中国・上海便、韓国・ソウル便が就航した99年度には、利用客数が75万7625人に達した。

 しかし、利用客は減少に転じる。仙台空港や新幹線との競合で函館、名古屋便などが休止し、2009年には大阪、沖縄便を運航する日本航空が撤退。11年に東日本大震災が起きると、上海、ソウル便が運休し、利用客も11年度は20万9695人に落ち込んだ。

 12年4月から国際線の着陸料を無料にしたが、国際定期便は復活の見通しが立たない。14年3月にはエア・ドゥ(札幌市)も撤退し、札幌便は全日空の1日1往復だけに。16年にはビジネス客向けに空港利用時間を1時間半延長したが、同年度の空港本体の赤字は過去最大の約5億8000万円に上った。ソウルへのチャーター便を運航する予定だった韓国の格安航空会社が運航を拒否するなど、風評も根強い。こうした結果、昨年度の利用客数は25万9618人にとどまった。

 「チャーター便誘致より原発事故の避難者支援を優先すべきだ」「空港を維持する意味はあるのか」――。福島県には厳しい批判の投書も届く。今後は、老朽化した施設の改修も必要になる。県空港交流課の担当者は「チャーター便に明るい兆しはあるものの、人口減少で地方空港間の競争は厳しい。知恵を絞って打開できる状況ではない」と苦しい胸の内を語った。

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50781 0 経済 2018/11/24 15:24:00 2018/11/24 15:24:00 2018/11/24 15:24:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181122-OYT1I50026-T.jpg?type=thumbnail

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