オリオンビール、野村と米ファンドが買収へ
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国内ビール5位のオリオンビール(沖縄県浦添市)が、野村ホールディングス(HD)と米投資ファンドのカーライル・グループに買収される見通しとなった。カーライルが持つ海外企業との豊富なパイプを生かし、成長が見込まれるアジア市場をはじめ海外展開を本格化する。
野村HDとカーライルはオリオンに対し、不特定多数の株主から株式を買い集める株式公開買い付け(TOB)を行う準備を進めている。野村HDがオリオン株の過半数を握る方向となっており、買収額は数百億円規模になる。現経営陣は留任する見通し。
オリオンは1957年に創業した。ビール類の国内出荷量に占めるシェア(市場占有率)は0・9%(2018年)にすぎないが、地元の沖縄県では「他メーカーよりも圧倒的に売れている」(関係者)という。18年3月期の連結売上高は283億円だった。
ただ、主力がビールだけに、近年は他メーカー同様に国内消費者の「ビール離れ」の影響を受けて、売り上げが伸び悩んでいたという。今後の成長に向けて、アジアや米国にビールを輸出するなど、海外での売り上げ増を目指してきた。
オリオンは野村HDとカーライルの傘下に入ることで、海外展開を一気に加速させる考えだ。両社の強みである海外市場に詳しい人材やノウハウを活用する。
現在は、02年に提携したアサヒビールが筆頭株主として10%の株式を保有する。オリオンが沖縄県内でアサヒの「スーパードライ」などを生産し、アサヒは県外でオリオンのビールを販売してきた。野村HDとカーライル傘下になった後も、アサヒとの提携は続く見通しとなっている。