ロシアに向かう客も利用、明治開業の路線が廃止

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4月1日付で廃止されるJR貨物の敦賀港線(敦賀市で)
4月1日付で廃止されるJR貨物の敦賀港線(敦賀市で)

 JR貨物は、2009年度から休止している福井県の敦賀港線(敦賀駅―敦賀港駅間、2・7キロ)を4月1日付で廃止することを決めた。1882年(明治15年)の開業以降、大陸への玄関口として栄えた敦賀港に多くの人や物資を運び、発展を支えてきた鉄路の歴史が正式に幕を閉じる。

 敦賀―長浜(滋賀県)間の鉄道は、日本海側で最も早い1882年に開業。敦賀港駅(当初は金ヶ崎駅)には、敦賀港とロシア・ウラジオストク港を結ぶ航路や、シベリア鉄道経由で欧州に向かう旅客を運ぶ目的で1912年に東京・新橋―金ヶ崎間で運行が始まった「欧亜国際連絡列車」の利用客が乗降した。

 87年の国鉄民営化に伴い、貨物専用線としてJR貨物が路線を継承。観光イベントや花火大会などでは臨時列車も走った。取り扱い貨物量は87年度の約25万5000トンをピークに減少が続き、2006年度には約1万9000トンまで減った。09年度の運行休止後はトラックで貨物の輸送を続けており、廃線後もトラック輸送を継続する予定。

 JR貨物は「列車の運行再開に見合う需要が引き続き見込めず、関係自治体との協議で同区間の事業廃止について確認がとれた」として昨年12月18日、国土交通省に19年4月1日付で敦賀港線を廃止すると届け出た。

 一方、22年度末の北陸新幹線敦賀開業に向け、敦賀市は金ヶ崎周辺の観光拠点化を推進。JR敦賀駅構内にあった転車台を活用して、敦賀港駅付近から約330メートルの区間で観光用の客車付きSLの運行を計画し、県とともにJR貨物と用地交渉の協議を続けている。

 敦賀の鉄道や港の歴史に詳しい、日本海地誌調査研究会副会長の古江孝治さん(68)は「また一つ、敦賀の近現代を彩った歴史遺産が消えるのはさみしい。空襲で港周辺の建物がほとんど焼失した中で敦賀港線は残り、欧亜国際連絡列車が発着した敦賀港の歴史を証明する貴重な遺産。一部だけでも残してほしい」と話している。(藤戸健志)

56991 0 経済 2019/01/18 22:42:00 2019/01/21 12:38:33 2019/01/21 12:38:33 4月1日付で廃線となるJR貨物の敦賀港線(敦賀市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190118-OYT1I50025-T.jpg?type=thumbnail

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