[覇権 米中攻防]上海 脱ドル最前線…原油取引に人民元 米が警戒

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上海先物取引所の巨大なディーリングルーム(1月28日)
上海先物取引所の巨大なディーリングルーム(1月28日)

 幅十数メートルもの巨大な電光掲示板に、相場の変動が刻々と映し出される。パソコンやファクスが設置されたオペレーター席では、職員らが値動きに目を光らせる。

 中国の通貨・人民元建ての原油先物取引がスタートして来月に1年を迎える。上海先物取引所が「17年もの準備期間をかけた」というプロジェクトだ。

 上海の先物価格がアジアのベンチマーク(基準値)になる可能性がある――。米エネルギー省は取引開始後の昨年4月にリポートを公表。中国による原油価格への影響力が強まるのでは、との警戒感をあらわにした。ドルが主役を務めてきた原油市場に人民元が躍り出ることにもなる。

 同取引所によれば、2018年の累計取引高は2700万枚(1枚は1000バレル=約15万9000リットル)、金額は12兆7400億元(約203兆円)に達した。「最近の取引高は1日あたり20万枚以上で推移している」といい、国際的な指標となっているロンドンの北海ブレントやニューヨークのWTI(テキサス産軽質油)に、取引高のうえでは並びつつある。

 人民元が原油価格を左右する日は近いのか。その問いに対する見方は分かれる。

 原油市場に詳しいアナリストは「市場の透明性の低さや、外国人投資家の少なさを見ても、国際指標への道はほど遠い」と指摘する。これに対して同取引所は、「すでに世界第3の原油先物市場になった」と自信満々だ。

 「要望があれば、現地通貨建ての融資も用意する」

 アジアインフラ投資銀行(AIIB)の金立群総裁は1月29日、人民元も含め、ドル以外の通貨建てでの融資を始める考えを示した。

 中国主導の巨大経済圏「一帯一路」構想を支えるために創設されたAIIBには「ドル一極体制を打破する狙いがある」とされる。金氏の「脱ドル」宣言は上海で始まった人民元建ての原油取引と同様に、中国が着々と進める「人民元の国際化」を意識した動きとも見て取れる。

 ドルが覇権を握る通貨体制にくさびを打ち込み続ける。中国の試みは実を結ぶのか――。(中国総局 鎌田秀男、写真も)

420469 1 経済 2019/02/03 05:00:00 2019/02/03 05:00:00 2019/02/03 05:00:00 上海先物取引所の巨大なディーリングルーム(1月28日、上海で)=鎌田秀男撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190203-OYT1I50028-T.jpg?type=thumbnail

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