新興国、利上げ見送り景気下支え…米方針転換で

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 【ワシントン=山本貴徳、バンコク=杉目真吾】インドやタイなどの新興国を中心に、世界経済の先行き懸念から、政策金利の引き下げや利上げ休止に動く国が相次いでいる。米国が利上げを当面、見送る方針に転換したことで、投資資金の流出や自国通貨安に陥るリスクが小さくなったことも背景にある。

インドは利下げ

 インドの中央銀行は7日の会合で、政策金利を0・25%引き下げ、年6・25%にすることを決めた。市場関係者の多くが「据え置き」を予想する中、1年半ぶりに利下げした。会合後の声明では狙いを「民間消費を支えるため」と説明し、金融政策の姿勢も「引き締め」から「中立」に緩和した。

 オーストラリア、タイ、ブラジル、メキシコ、ロシアの中央銀行も5~8日に政策金利の据え置きを決めた。米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱問題などで、世界経済の下振れリスクが高まっていることなどを理由に挙げた。昨年12月の前回会合で利上げに踏み切ったタイやロシアも、当面は追加利上げを見送る考えを示唆した。

 オーストラリア準備銀行(中央銀行)のロウ総裁は6日の講演で、「金利は下よりも上に向かう可能性が高かったが、今は均衡している」とし、金融市場の流れが変わったとの見方を示した。

 政策金利が下がれば、連動してローンの金利も下がり、消費者の購買意欲を刺激して消費が活発になる可能性がある。各国の金融政策が、景気の下支えに軸足を移しているのは、米連邦準備制度理事会(FRB)が1月末に、金融引き締めにつながる利上げを一時停止する方針を打ち出したことが大きい。2018年は4回の利上げを行い、19年も2回の追加利上げを想定していたが、当面、様子見する姿勢を明確にした。

薄れる通貨防衛

 これまでの米国の長期金利上昇や利上げ観測で、ドルによる運用の魅力が高まることから、新興国から米国に資金が還流しやすくなっていた。しかし、米国の方針転換で「新興国通貨の上昇」(インド準備銀行)につながり、通貨防衛の必要性が薄れた。国際金融協会(IIF)の推計によると、1月に新興国の債券・株式に流入した資金は511億ドル(約5兆6000億円)と、1年ぶりの水準に回復した。

 ただ、米国では雇用の増加や物価の上昇が続いている。FRBは利上げの再開を「経済データ次第」としており、市場関係者の間では、年内に利上げを再開するとの見方が残る。量的緩和を終了した欧州中央銀行(ECB)も利上げを模索しており、新興国が金融政策で景気を下支えする余地は限られるとの見方もある。

439045 1 経済 2019/02/11 22:14:00 2019/02/11 22:56:34 2019/02/11 22:56:34 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190211-OYT1I50005-T.jpg?type=thumbnail

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