1部上場の時価総額、基準引き上げへ…東証検討

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 東京証券取引所は、東証1部への上場に必要な企業の時価総額基準を引き上げる方向で検討に入った。上場企業約3700社のうち、東証1部が約6割を占め、マザーズなど新興企業向け市場との違いがわかりづらいとの指摘があるためだ。東証は、近くまとめる市場の改革案に新基準を盛り込み、再編後の市場の魅力を高めたい考えだ。

 

 東証1部に上場する基準は主に二つある。一つは、未上場企業が直接上場する場合で、250億円以上の時価総額が推定されるのが条件だ。もう一つは、新興市場の東証2部とマザーズからのくら替えを優遇する措置で、「時価総額40億円以上」の条件を満たせばよい。

 東証は、今回の見直しで基準を統一する。優遇措置を撤廃し、新たに東証1部に上場する場合、必要な時価総額を500億円以上とする案が出ている。

 かつて、東証1部に直接上場する基準は500億円以上だった。2008年のリーマン・ショックで新規上場が急減したため、12年に半分の250億円以上に引き下げた経緯がある。

 ところが最近は、上場基準の「緩和」による弊害も目立つ。例えば、10億円の時価総額で十分なマザーズにまず上場し、40億円規模の企業に成長すれば、東証1部に移れる。こうしたくら替えは09年にわずか4社だったが、最近は年70社以上で推移し、1部上場企業が増えた一因になった。

 平成の30年間で、東証1部の企業数は2倍近くの約2100社に膨らんだ。トヨタ自動車のように時価総額が20兆円を超す大企業と、40億円程度の企業が混在している。ニッセイ基礎研究所の井出真吾・チーフ株式ストラテジストは、「著名な企業にしか投資しない投資家も多い。時価総額が1000位以下の企業は、ほとんど見向きもされない」と話す。

 実際、東証1部の企業数は、07年の約1700社から400社程度増えたが、1日の売買代金は約3兆円前後で変わっていない。取引が活発になったとは言い難く、「『超優良企業が集まる市場』というブランド力もすっかり薄まった」(野村総合研究所の大崎貞和フェロー)との声もある。

 東証は、東証1部と2部、ジャスダック、マザーズの市場区分の見直しを進めている。東証1部の中から、特に時価総額が大きい企業を集めた「プレミアム市場」を作る案が出ている。残りの3市場は、成長が見込める企業と、業績が安定した老舗企業が上場する2市場に集約する案が有力だ。

439054 1 経済 2019/02/11 17:21:00 2019/02/11 17:24:07 2019/02/11 17:24:07 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190211-OYT1I50007-T.jpg?type=thumbnail

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