中国「知財保護」を強調 全人代…技術移転の強制禁止法案

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外商投資法が成立すれば、日本企業の中国事業にも影響する可能性がある(1月22日、中国浙江省のパナソニックの家電工場で)=鎌田秀男撮影
外商投資法が成立すれば、日本企業の中国事業にも影響する可能性がある(1月22日、中国浙江省のパナソニックの家電工場で)=鎌田秀男撮影

 【北京=小川直樹】中国の全国人民代表大会(全人代=国会)は8日、全体会議を開き、外国企業の技術を中国に強制的に移転させることを禁ずる「外商投資法案」の審議を始めた。米国が批判を続ける知的財産権の問題に対応する姿勢を示す狙いがあるとみられる。ただ、実効性が上がるかは不透明だ。

■スピード審議

 栗戦書リージャンシュー全人代常務委員長は8日の会議で、「外商投資法は我が国の改革・開放の新しい理念、新しい考え、新しい施策を全面的に反映している」などと意義を強調した。

 外商投資法案は、中国でビジネスをする全ての外国企業の新たな基本法となるものだ。会期末の15日に採決する見通しで、昨年12月末の草案公表から異例のスピード審議となる。

 法案のポイントは、外国企業の権利の保護を明文化した点だ。

 例えば、知財分野では「国(中国)は法により外国企業の知的財産権を保護する」と明記。技術移転の強要問題では「行政手段を利用して技術移転を強制してはならない」とした。

 公共事業などの政府調達分野では、外国企業を中国企業と同等に扱うとし、地方政府による外国企業の経営・生産活動への介入を禁止する規定も盛り込んでいる。

■実効性は不透明

 もっとも、新法によって外国企業のビジネス環境が大きく改善するかは見通せない。

 例えば、中国では自動車などの重要産業で中国企業との合弁企業の設立をすることが求められてきた。実際、「合弁相手に自社技術を提供させられたことがあった」(日系メーカー)との声は多い。米国は「米企業が不当な技術移転を求められた」などと繰り返し是正を要求している。

 法案で明確に禁止するのは、政府が表だって関与するケースに限られる。外国企業にとって、中国でのビジネスを続けるために不可欠な合弁相手からの「協力要請」が、引き続き事実上の技術移転の強制となる懸念はぬぐえない。

 中国政府は技術移転の強制はしておらず、企業同士の自主的な契約に基づくとの立場だ。ただ、昨年12月末の草案を公表後、日系企業向けの意見聴取の機会も設けられたが、「形式的だった」(出席者)という。急ごしらえの感が強い新法が施行されても、地方政府などで実務を担う現場職員の意識を変えるには相当な時間がかかるとみられる。

 大和総研の斎藤尚登主席研究員は「法律ができることと、それがどう運用されるかは別問題だ。米国へのポーズにはなるが、すぐに何かが変わるとは思えない」と指摘する。

479126 1 経済 2019/03/09 01:51:00 2019/03/09 01:51:00 2019/03/09 01:51:00 外商投資法が成立すれば、日本企業のビジネスにも影響する可能性がある(1月22日、中国浙江省、パナソニックの家電工場で)=鎌田秀男撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190309-OYT1I50014-T.jpg?type=thumbnail

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