JR東、首都圏でも「ワンマン運転」拡大…7両以上にも

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3両編成で運行するJR鶴見線。ワンマン化の対象になる可能性がある(17日、横浜市鶴見区で)
3両編成で運行するJR鶴見線。ワンマン化の対象になる可能性がある(17日、横浜市鶴見区で)

 JR東日本が来年度をめどに「ワンマン運転」を拡大することがわかった。現在は2両編成以下の列車が対象だが、3両以上に広げる。人手不足に伴う合理化が理由で、首都圏でも車掌がいない列車が増える見込みだ。専門家は自然災害やトラブル発生時も対応できる態勢の整備を求めている。

 JR東のワンマン運転は2両以下で走る在来線35路線で導入されている。運転士1人で客の乗り降りやホームの安全確認ができる長さを2両と考えているためだ。3両以上は車掌1人が最後部車両に乗り込み、安全確認を行っている。

 ただ、来年度以降3~6両の「中編成」や7両以上の「長編成」にも広げる。まずは3~4両での運行路線から導入していく方針で、首都圏でも横浜市と川崎市を結ぶ鶴見線や千葉県の内房線、外房線などはワンマン化の可能性がある。

 山手線や中央線などの主要路線は引き続き車掌が乗り込むが、ホームドアが全駅に整備されれば導入を視野に入れるという。

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 背景にあるのが人手不足だ。JR東は55歳以上の社員が約1万1000人と全体の2割を占める一方、1987年の民営化前後は新規採用を極端に抑えた。さらに人口減で鉄道需要も今後減ることが見込まれ、同社は「省人化、機械化できる分野は進めていく。ワンマン化もその一環」とする。

 ワンマン拡大に備え、客が乗降する様子を運転席のモニターで確認できるカメラを車体やホームに設置する。運転指令所と乗客の非常時通話装置も整備予定だ。これらの機能を備えた車両の試験走行を栃木県内などですでに始めている。

 JR東以外の旅客5社もワンマン化が進む。5社の在来線計106路線のうち計89路線で実施され、JR九州は21路線中20路線、JR四国は9路線中8路線に上る。JR東海は名古屋市内を走る主要路線の一つ関西線でも行っている。

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 ワンマン拡大で懸念されるのが、災害やトラブル時の乗客や運行の安全だ。

 今年6月の新潟・山形地震では、新潟県沿岸を走る羽越線で列車2本が緊急停止し、車掌と運転士が高台に乗客を避難誘導した。うち1本は3両なので今後ワンマン化の可能性はある。

 鳥取県大山町のJR山陰線では昨年3月、運転士が車内で起きた男女の口論を仲裁するため、約50分間停車してしまい、約200人が影響を受けた。

 JR西日本は南海トラフ地震で被害が予想される和歌山県内で紀勢線をワンマン化しているが、2017年からは運転士がVR(仮想現実)映像で津波発生時の対応訓練を行っている。

 最大6両でワンマン運転する仙台空港アクセス線は東日本大震災の津波で空港近くの全長約600メートルのトンネルが水没した。列車の被害はなかったが、運営会社はトンネル内に指令所からの遠隔操作で点灯できる照明や、地上への脱出はしごを設置した。

 鉄道技術に詳しい日本大学の綱島均教授(鉄道工学)は「ワンマン化はやむを得ないが、乗務員が減ることを不安に思う乗客もいるだろう。車掌のような資格は必要とせず、非常時対応のみ行う添乗員を乗せるといった考え方もあるのではないか」と話している。

「無人駅」も増加JR6社の半数=人手不足による合理化は列車内にとどまらない。駅員不在の「無人駅」は年々増え、今年4月現在JR6社で全体の54%にあたる計2422駅。JR四国では80%の208駅、JR北海道は75%の306駅に上る。

 東京23区でも信濃町、千駄ヶ谷、三河島、南千住、尾久の各駅は早朝の改札が無人だ。東京や池袋といった巨大駅でも一部の改札では同様の措置を取っている。

 さらに秋葉原など19駅では駅業務をグループ会社に完全委託しており、駅長ら管理職も含め、JR東日本の社員は1人もいない。

 JR西日本は京阪神地区の180駅にある「みどりの窓口」を2030年度をめどに約30駅にまで減らす。その一環で22年度をめどに駅員の1割にあたる約600人を削減する計画だ。

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801495 0 経済 2019/09/18 14:02:00 2019/09/18 14:02:00 2019/09/18 14:02:00 3両編成で運行するJR鶴見線。ワンマン化の対象になる可能性がある(17日、横浜市鶴見区で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/09/20190918-OYT1I50030-T.jpg?type=thumbnail

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