「空気運ぶより…」経営難私鉄が斬新な打開策、運行中車両の貸し切りサービス

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 大阪府貝塚市を南北に走る水間鉄道が、営業運転中や駅車庫に止めた車両を貸し切りにして、イベント会場などに使ってもらう企画「電車で遊ぼう」を始めた。利用客の減少に伴う経営難の打開を図る取り組みで、多くの人に水間鉄道を知ってもらい、普段の乗車促進にもつなげたい考えだ。(坂木二郎)

 単線で全長5・5キロの水間鉄道は、1925年(大正14年)に営業を開始。貝塚駅で南海本線と接続するため、沿線住民の通勤通学や、水間寺(貝塚市)への参詣に利用されてきた。

 「水鉄すいてつ」の愛称で親しまれ、1980年代には年間400万人前後が利用したが、車社会の発達や少子化の影響で、2018年度は183万人まで落ち込んだ。

 近年は朝夕のラッシュ時以外は片道の利用客が3桁に届かず、平日の日中の乗客は数える程度。少しでも乗客を増やそうと、クリスマス期間のイルミネーション車両の運行や、貝塚―貝塚市役所前駅間を80円引きの100円で利用できる「得トク貝塚きっぷ」の発売、日曜日に自転車を持ち込める「サイクルトレイン」など、様々な企画を実行してきた。

 今回の新企画は、営業運転中の車両などを貸し出す斬新なもの。「空気を運ぶくらいなら」と、2両編成の先頭車両に一般客を乗せ、2両目を貸し切りにする。片道約15分で、何往復でも連続して利用できるという。水間観音駅の車庫に止めた2両の貸し切りプランもあり、車庫の敷地も合わせて祭りなどを開ける。

 火気厳禁だが、営業運転中の線路に入ったり、車両を傷めたりしなければ、原則、使い方に制限はない。車庫内では乗務員室に入って車内アナウンスを使えるほか、オリジナルヘッドマークを付けて記念撮影も楽しめるなど、マニア心をくすぐる仕掛けも盛りだくさんだ。

パーティーの合間、貸し切り車両の前で記念撮影する同志社大鉄道同好会のメンバー(貝塚市で)
パーティーの合間、貸し切り車両の前で記念撮影する同志社大鉄道同好会のメンバー(貝塚市で)

 この企画を利用した「第1号」は、同志社大鉄道同好会のメンバー13人。昨年12月25日、車庫の2両でクリスマスパーティーを開いた。会長の藤原尚紀さん(21)(3年)は「座席に寝転んだり、車内アナウンスを使ったり、特別感に浸れる。鉄道好きにはたまらない」と満足そうだった。

 水間鉄道によると、4月に営業運転中の車両を使った落語会の予約が入っており、問い合わせも数件あるという。西田康彦鉄道部長は「多くの方に車両を使っていただき、水間鉄道のファンになってもらいたい」と話している。

 貸し切り利用は繁忙期を除いて年中可能で、料金は営業運転中の車両が片道5000円、車庫内の車両が2時間3万円など。問い合わせは水間鉄道(072・422・4567)。

 ◆水間鉄道=貝塚―水間観音駅間を結ぶローカル線。10駅のうち八つが無人駅で、鉄道のほかバス事業も手がける。住宅開発などの不動産投資が焦げ付いたことで、2005年に会社更生法の適用を申請。外食チェーン「グルメ杵屋」(大阪市)の傘下に入って経営再建を進めており、国と貝塚市から年間計約4000万円の補助を受けている。

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997973 0 経済 2020/01/13 14:35:00 2020/01/13 14:35:00 2020/01/13 14:35:00 パーティーの合間、貸し切り車両で記念撮影をする同志社大鉄道同好会のメンバー(水間観音駅で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/01/20200113-OYT1I50034-T.jpg?type=thumbnail

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