「つちのこフェスタ」に村人口の2倍来場、混乱も
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蛇に似た幻の生物「ツチノコ」をマスコットに地域振興に取り組む岐阜県東白川村は、毎年5月に開催しているイベント「つちのこフェスタ」に向けて、インターネットで事業目的を明示してふるさと納税を募る「ガバメント(自治体)クラウドファンディング(GCF)」を始めた。参加者が増えて膨れ上がった事業費を賄うためで、村は将来的に移住者が増えることを期待している。
ツチノコの目撃例が多い村は1989年から、村内の茶畑を会場に、捕獲者に賞金を贈るツチノコ捜索イベント「つちのこフェスタ」を開いてきた。ゴールデンウィーク中の催しとあって、当初約300人だった参加者は増え続け、昨年は村人口の2倍の4千数百人が押し寄せた。
この結果、小学校校庭の臨時駐車場が満車となり、民家や事業所の駐車場を急きょ借りたほか、送迎バスや仮設トイレに長蛇の列ができた。屋台の飲食物は昼前に売り切れとなった。警備員は10人足らずしかおらず、誘導も混乱したという。
村は昨年、イベントに事業費450万円を投じたが、円滑な運営のためには700万円は必要と見込む。予算規模が小さな村にとっては大きな負担で、200万円を目標にGCFを活用することにした。
寄付金は警備員増員や、送迎バス、仮設トイレの充実などに充てる予定だ。寄付者には返礼品としてイベント参加券などが贈られる。村の村雲修・商工振興係長は「GCFはイベントに参加してもらうことが前提。村へのファンを増やして、ゆくゆくは移住・定住増加につなげたい」と話す。
今年の「つちのこフェスタ」は5月3日に開催される予定で、ツチノコ捕獲者には賞金131万円が贈られる。GCF募集は4月22日まで。問い合わせは、東白川村役場(0574・78・3111)。