福島県沖で漁獲、すべての魚介類が初めて出荷可能に
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国の原子力災害対策本部は25日、福島県沖で漁獲されるコモンカスベ(エイの一種)の出荷制限を解除した。これにより2011年3月の東京電力福島第一原発事故後、県沖の全魚介類が初めて出荷可能となった。出漁回数を制限するなどした試験操業が12年6月から続いており、本格操業再開に向けた議論が活発化する見通し。
原発事故後、国は県沖の魚介類のうち、放射性セシウム濃度の検査で基準値(1キロ・グラム当たり100ベクレル)を超えた44種類の出荷を制限。検査で安全が確認された魚介類から順次解除してきた。
コモンカスベは、昨年1月の検査で基準値を超えたため、出荷が制限されていたが、今年2月までに調べた1008検体がいずれも基準値を大きく下回ったことから安全と判断された。
一方、第一原発構内では、汚染水を浄化した処理水をタンクで大量に保管。22年夏に限界を迎える見通しで、経済産業省の有識者会議は今月10日、海洋放出と水蒸気放出の2案を政府に提言したが、県内の漁業関係者は海洋放出に反対している。