上半身を覆うカバーや席間カーテン…「3密で危ない?」高速バスが飛沫防止策
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新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた高速バス会社が、客足回復へ向け、感染対策を本格化させている。乗車時間の長さからくる感染への不安を
通路側は空席

東京都内にある高速バス営業所。座席についた従業員が、上部のクッションに取り付けられたフードを下ろすと、上半身がすっぽりと覆われた。
東京と東北、九州をつなぐ高速バス会社「ウィラーエクスプレス」(東京)が今月1日から導入した
同社は緊急事態宣言が出る前の4月4日から全20路線の約300便を運休。宣言解除などを受け、今月1日から一部路線の運行を再開させており、当面は2人がけの通路側を空席とする対策もとる。再開後の利用客は以前の約3割にとどまるが、乗務員の内村信一さん(31)は「しっかりと対策すれば、客足が戻ると信じている」と話した。
窓開けられず
高速バスは2017年度の利用者が全国で1億350万人にのぼったが、感染拡大で客足が急減し、国内最大級のバスターミナル「バスタ新宿」(東京)では4月末~5月末、1日の発着便数が前年より8割強減の約200台に落ち込んだ。
移動解禁となった今月19日には約45%の約700台に回復したが、高速バスは安全面から窓が開けられない構造が一般的で、乗車時間も長い。今年1月に中国人客を乗せた観光バスでツアーガイドらが感染し、印象が悪くなったこともあり、各社は、乗車前の検温の実施や座席数を減らすなど対策に神経をとがらせる。
コスト面から座席の減少に踏み切れない会社は、設備面で工夫を凝らす。
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