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◆…USJ復活の立役者、森岡毅氏の語るマーケティング…◆
マーケティング会社「刀 」を創業した森岡毅氏は、大阪市のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」復活の立役者として知られる。新たに手がける企業支援プロジェクトなどについて聞いた。(聞き手・三宅隆政 写真・河村道浩)
徹底したマーケティング 原動力
USJの入場者数は、森岡氏の在籍した6年半の間に、約2倍の1450万人まで伸びた
復活の原動力は、消費者視点を徹底したマーケティングの導入と組織改革にあります。 立て直しにあたっては、ゴールから逆算した「3段ロケット構想」を打ち立てました。第1段は小さな子供連れを対象としたエリアの創出です。ゾンビで埋め尽くされるハロウィーンのイベントや、後ろ向きに走るジェットコースターなどのアイデアで資金をつなぎ、第2段として総投資額450億円をかけた映画「ハリー・ポッター」のエリアをオープンさせました。

しかし、2015年にUSJの親会社が米投資銀行のゴールドマン・サックスから米ケーブル大手のコムキャストに変わると、経営方針は現状維持に転換しました。3段目のロケットになるはずだった沖縄での新テーマパーク建設をはじめ、温めていた多くの投資計画が白紙になりました。
「攻め続ける」ことを唱えていた私は、USJに居続けるよりも、新たな挑戦へ旅立つ決断をしました。一緒についていきたいと幾人もの仲間が人生を懸けて集まってくれ、その時の感激が私を奮い立たせ続ける力になっています。
「刀」という社名には「マーケティングを日本人の武器にしたい」という思いを込めました。USJを復活に導いたことで実証したマーケティングの手法「森岡メソッド」を多くの企業に移植しています。日本には、可能性を秘めた製品やサービスを持っているのに、どうやって売っていいのか分からない企業がたくさんあります。マーケティングの力で消費者に選ばれる確率を高めるブランドを構築できれば、元気な企業がもっと増えるはずです。
沖縄にテーマパーク 再挑戦
協業プロジェクトは、うどんチェーンの丸亀製麺や、年金保養施設グリーンピア三木(現ネスタリゾート神戸)の再生、西武園ゆうえんちのリニューアルなど多岐にわたる