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NTTは29日、子会社の携帯電話大手NTTドコモの全株式を取得し、完全子会社化すると発表した。株式公開買い付け(TOB)によって残り3割強の株式を一般の株主などから買い取る。経営の意思決定を迅速化し、海外勢に後れを取る高速・大容量通信規格「5G」などで競争力を高める狙いだ。菅首相が意欲を示す携帯料金の値下げも検討する。
株式の取得額は約4・25兆円に上る。M&A助言会社レコフによると、国内企業へのTOBとしては過去最大になる。30日から11月16日まで、1株あたり3900円で買い付ける。TOBが終了すれば、東京証券取引所1部に上場するドコモは上場廃止となる。
世界の通信業界では、5G分野を中心に、中国の通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」の存在感が高まっている。投資余力や技術開発力で劣る日本勢は出遅れが目立つ。米グーグルやフェイスブックなど「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業への対応も急務だ。
NTTの澤田純社長は29日、東京都内で記者会見し、完全子会社化について、「ドコモが3番手になり、GAFAなど海外に強い会社が出てきている危機感だ」と述べた。
携帯大手3社の中で、ドコモはKDDI(au)とソフトバンクに契約者を奪われ、本業のもうけを示す営業利益で両社に抜かれた。