完了しました
近年、ブームが続くキャンプ。新型コロナウイルスの影響で「密」を避ける傾向があることから、人気に拍車がかかっている。だが、癒やしを求めて来たのに混雑していたり、周りに気を使ってしまったりする場合も少なくない。自然の中で伸び伸びと過ごしたいという人の間で、「会員制」や「1日1組限定」をうたう山梨県内のキャンプ場が注目を集めている。(伊丹理雄)
山の斜面を切り開いた山梨県道志村の「CAMP SPACE DOSHI 2.0」は会員制のキャンプ場。月額3000円(家族は4000円)を支払うと、テントが約20張れる3000平方メートルの敷地を自由に利用できる。
会員で1か月のうち半月ほどを過ごすという東京都立川市のカメラマン吉村正也さん(49)は、「他のキャンプ場と違って仕事を終えて夜からでも気軽に入れる。朝早く並んで場所取りする必要もない」とメリットを挙げる。

発起人の河西誠さん(43)は2018年9月からキャンパーらの手を借りて土地をならし、クラウドファンディングで集めた資金でトイレや水場を整備。ツイッターで理想のキャンプ場について尋ねたところ100件を超えるコメントが寄せられ、その多くは「隣のサイト(区画)がうるさい」という声だったため、会員限定の定額制にしたという。
会員は現在、主に関東圏の20~60歳代の男女約200人に上り、入会を希望して仮登録している人が約200人いる。サイトの拡張も進めており、河西さんは「メンバーと一緒に理想のキャンプ場を作り上げていけるのが、ここの

一方、都留市大野の「FOREST GATE」では、ホテル並みの設備でキャンプを楽しめる「グランピング」を、1日1組限定(最大4人)で受け付けている。
「私自身キャンプは好きだけど、今はどこに行っても混んでいて、どこか窮屈な印象があった」。オーナーの石尾遼さん(34)は、1組に限定した理由を語る。
川のせせらぎが聞こえる約1500平方メートルの林間に、木材や帆布で作られたテント1張りが立つ。24平方メートルの室内に2台のダブルベッドが置かれ、ピザ窯やキッチンも併設。キャンプやバーベキューに必要な器具も借りられる。
今年7月にオープンしたばかりだが、8月は連日満室で、今月も週末を中心に予約で埋まっている。特に幼い子どもがいる家族連れには「周りの目を気にせず遊ばせられる」と好評だという。
料金は1泊1人1万6000円から。石尾さんは「自分と自然以外は何もないプライベート空間で、自然と共に生きていることを実感してもらいたい」と話す。