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養殖マグロウォッチングで「NO密」体験学習、漁協が誘致…中学生は「迫力ある」

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天草市で養殖されたクロマグロ(天草宝島観光協会提供)
天草市で養殖されたクロマグロ(天草宝島観光協会提供)

 熊本県天草市の天草漁協が、養殖クロマグロを見学する「マグロウォッチング」に取り組んでいる。マグロ養殖を観光に活用するのは全国でも珍しく、地域振興につなげる狙いもある。新型コロナウイルスの感染が続く中で、「密」にならない体験学習として学校にもPRしている。

 天草市新和町の沖合約2キロにある養殖場。約4キロにわたって直径50メートルのいけす約60基が連なる。餌が投げ込まれると、養殖クロマグロが水しぶきを上げた。今月5日、今年から漁協が校外学習として誘致を強化し、「第1号」となった地元の中学生たちは「迫力がある」と喜んだ。

 ウォッチング後は、近くの旅館でクロマグロ丼に舌鼓を打った。市立新和中1年の女子生徒(13)は「貴重な体験だった。マグロ丼も新鮮でおいしい」とほほ笑んだ。

 天草市新和町周辺の海域は、うねりの影響を受けにくい内海の八代海に面し、養殖に適した環境だという。漁協が養殖場を提供する形で、熊本市の水産会社が2008年からクロマグロの養殖を開始。天然の稚魚を3~5年かけて成長させ、出荷している。

 養殖場での見学は、漁協が10年ほど前から行い、これまでに約200人が参加した。ただ、「養殖技術が外部に漏れる恐れがある」として、積極的なPRを控えていたという。

 天草市は北部に年間約7万人が訪れるイルカウォッチングがあり、西部の「崎津さきつ集落」は18年に世界文化遺産の構成資産となった。養殖場のある東海岸沿いは目立った観光資源がなく、地元では「地域に人を呼び込みたい」との思いが強かった。

 そこで、地元の観光協会や漁協は、マグロウォッチングを学校向けの体験学習として売り込むことを考えた。子供たちに養殖業への理解を広げ、将来の就業につながるとの期待もあった。

 今年から天草市教育委員会を通じて学校への広報を開始した。新和中の山下明朗教頭は「生徒が地元の産業を学ぶ場となった。屋外なのでコロナ対策も講じやすい」と語る。コロナ禍で修学旅行先を県外から県内に移した学校もあり、PR活動を広げていく予定だ。

 漁協は今後、観光協会と協力し、民泊を組み合わせるなどして一般の観光客にも体験を呼びかける。天草漁協副組合長の浜悦男さん(73)は「人口が減り、コロナ禍もあって、元気がなくなっている地域を盛り上げていきたい」と話している。

◆九州近海、養殖の適地

 全国海水養魚協会(神戸市)によると、世界のマグロ類の消費量のうち、日本は約6割を占める。天然クロマグロの減少に伴い、国際的な漁獲規制が行われており、養殖の重要性は増している。

 水産庁のまとめでは、国内の養殖クロマグロの出荷量は年々増加。2019年は1万9588トンと12年(9639トン)の約2倍となった。19年の都道府県別出荷量は、長崎が7188トンで1位で、次いで鹿児島の3362トン。5位にも大分(1282トン)が入っている。協会によると、九州近海は、水温や穏やかな海面など養殖に適した海域が多いという。

 養殖が盛んな長崎県新上五島町では、冷凍処理していない「生マグロ」を使ったフェアを10日から開催中だ。

(浜村勇)

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1540877 0 経済 2020/10/12 13:58:00 2020/10/12 13:58:00 2020/10/12 13:58:00 天草市で養殖されたクロマグロ(天草宝島観光協会提供) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201012-OYT1I50019-T.jpg?type=thumbnail

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