「パナマ籍」の船も「パナマ運河利用」の船も、コロナで減る傾向

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[New門]は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「パナマ船籍」。

 海難事故などが報じられる際、「パナマ船籍」という言葉を多く目にする。日本の海運各社が保有する外航船の6割弱は船籍がパナマで、運河の利用も多く、税金が著しく軽いタックスヘイブン(租税回避地)としても知られる。だが、新型コロナウイルスは両国の関係に変化を促すかもしれない。

通航料10%上乗せ

 8月にインド洋のモーリシャス沖で重油流出事故を起こしたパナマ船籍の貨物船「わかしお」。中国からブラジルに向かう航海で、太平洋を横断するパナマ運河経由のルートを通らず、アフリカ大陸南端の喜望峰航路を選んだのには理由がある。船幅が50メートルと巨大で、幅49メートルが上限の運河を通れないからだ。

 日本商船は年間約1200隻がパナマ運河を通るが、小さい船でもわざわざ喜望峰回りを選ぶことが増えるかもしれない。今年2月から運河の通航料が最大10%上乗せされ、日本の海運業界は年間40億円超の負担増が見込まれる。一方、原油価格が大幅に下落し、燃料と航海日数を余分にかけても遠回りする方が安上がりになるというわけだ。

 パナマ側にも譲れない事情がある。米中対立やコロナの影響で貿易が滞り、今春以降、運河を通る隻数は10~20%前後も減少している。運河はパナマの政府機関が管理・運営し、その通航料収入は国家予算の8分の1を占め、歳入が不足しかねない事態といえる。日本政府は9月に値上げ見直しを求めたが、両国の交渉は平行線をたどった。

「税逃れ」包囲網

 新型コロナで各国の財政が厳しくなるなか、タックスヘイブンには風当たりが強まっている。欧州連合はパナマなど十数か国・地域に拠点を持つ企業に対し、コロナで業績が悪化しても財政支援の対象外とする方針を打ち出した。4月に経営破綻した豪航空2位ヴァージン・オーストラリアは、関係者による租税回避地の活用を理由に政府が支援に消極的だったと指摘される。「世界的に租税回避地への包囲網が強まり、パナマ経済への影響も避けられない」(エコノミスト)との見方もある。

感染防止で上陸拒否 「船籍」リスク

 パナマの売りである「船籍」にも逆風が吹く。この春以降、感染防止を理由に各国から上陸が認められず、世界で数十万人の船員が船上で数か月も足止めされている。公海上での船舶は船籍国が原則、管轄権を持ち、船上でこうした問題が発生した際にはその国が対処を求められる。だが、人口400万人余りの小国パナマは当事者として十分な対応が難しく、世界の海運会社や船員にとっては船籍を小国に置くリスクが改めて認識された格好となる。

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1542634 0 経済 2020/10/13 05:00:00 2020/10/13 09:18:38 2020/10/13 09:18:38 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201012-OYT1I50073-T.jpg?type=thumbnail

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