感染拡大に豪雨、新米買取価格が6年ぶり下落見通し…生産農家「踏んだり蹴ったり」

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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2020年産米の概算金や買い取り価格が6年ぶりに下落する見通しとなった。飲食店での消費が減ったことが要因だ。下落幅(60キロ当たり)は数百円~1000円程度で、コメどころのブランド米も例外ではなく、需給改善に向けてJAグループは新米の一部を来年秋以降に販売する方針だ。

魚沼産コシヒカリの刈り取りをする農家(9月30日、新潟県南魚沼市で)
魚沼産コシヒカリの刈り取りをする農家(9月30日、新潟県南魚沼市で)

 「景気が悪くなれば安いコメに目が向く。全国的に米価が低下する中、魚沼産を選んでもらえるか展望が見えない」。新潟県南魚沼市でブランド米の魚沼産コシヒカリを栽培する農家の男性(26)は肩を落とした。コロナによる需要悪化が冷や水となり、魚沼産(1等)の概算金が前年より900円下落したためだ。

 新潟県では昨年、お盆時期のフェーン現象による高温障害で県産コシヒカリの1等米比率が例年の80%台から約25%まで低下。県は今年からフェーン現象発生前に高温対策を促す「緊急情報」の運用を始め、比率は例年並み近くまで回復し、作況指数も「やや良」の103(9月15日現在)に改善した。

 しかし、コロナ禍で米の需給環境が一変。JA新潟中央会の今井長司会長は「主食用米の生産を抑制し、非主食用への転換を進めてきたが、どうにもならない。需給の改善を含めた国の支援を求めたい」と語った。

 7月末の豪雨で最上川が氾濫した山形県。県産米の主力品種「はえぬき」の概算金は800円下がり、1万2200円となった。大石田町で7ヘクタール栽培する男性(71)の水田でも出穂期の稲が水没。その後は天候に恵まれて収穫を迎えたが、「収量が例年の半分にも満たない上に概算金も安い。踏んだり蹴ったり」と嘆いた。

 栃木県のJA全農とちぎは、コシヒカリの概算金を1000円引き下げ、1万2400円とした。主食用米は7割が業務用だが、他の銘柄の概算金も1000円ほど下落。家庭での消費を喚起しようと、9月下旬から関東圏で県産米をPRするテレビCMを始めた。

 JA全中は、国の制度を活用し、今年産のコメ20万トンを保管して来秋以降に売り、米価下落を食い止める方針を打ち出した。

 農林水産省によると、今年7月末の民間在庫量は196万~204万トン。今年産の余剰分も含めると供給過剰の目安とされる200万トンを上回る見通しで、農産企画課の担当者は「農家の収入が下がるようであれば、収入保険などの活用も検討していきたい」としている。

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1552842 0 経済 2020/10/16 11:10:00 2020/10/16 11:35:08 2020/10/16 11:35:08 稲刈りが最終盤を迎えた南魚沼市の田んぼ(30日午前11時23分、南魚沼市五日町で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201016-OYT1I50026-T.jpg?type=thumbnail

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