米は韓国候補を支持、ナイジェリア候補で合意できず…WTO事務局長選
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【ジュネーブ=杉野謙太郎、ロンドン=池田晋一】世界貿易機関(WTO)は28日、空席となっている事務局長選挙を巡り、非公式会合を開いた。WTOの報道担当者は会合後、米国を除く加盟国・地域がナイジェリア候補のンゴジ・オコンジョイウェアラ元財務相(66)を支持したと明らかにした。
オコンジョイウェアラ氏への支持が多数となったことを受け、議長国のニュージーランドなどは同氏を次期事務局長に推薦した。一方、米国は韓国の
最終候補に残ったオコンジョイウェアラ氏と兪氏はいずれも女性で、就任すればWTO初の女性事務局長となる。28日の会合では、日本や中国、欧州連合(EU)などがオコンジョイウェアラ氏の支持を表明した。
加盟国・地域は来月9日にも会合を開き、合意を目指す。規定上、投票による決定もできるが、WTOの報道担当者は「合意による決定が加盟国の意向だ」と述べ、全会一致を目指す方針を強調した。ただ、米国が兪氏支持を取り下げなければ、事実上「拒否権」を行使する形となり、協議は難航する可能性もある。