EV内でリモートワーク、ATM備えた「移動店舗」車も…コロナで変わる車業界
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新型コロナウイルスの感染拡大で揺れた自動車業界が、いち早く回復に向かっている。東日本大震災など、度重なる災害を乗り越えた経験が、逆境を切り抜ける力になっている。新しい生活様式を見据え、生き残りを目指す動きを追った。
車内オフィス、EVにさらなる可能性

車や電車、バスに乗って職場に通う。そんな日常は、新型コロナウイルスの感染拡大で一変した。感染を防ぐため、在宅勤務やリモートワークといった職場の分散化が進む。
ホンダで電装品の設計を手がける黒川博之さん(44)は、作業に集中したい時、10月に発売した電気自動車(EV)「Honda
周囲の話し声で気が散ることはない。家庭と同じ100ボルトの電源やWi―Fi(ワイファイ)を備えており、オンライン会議やパソコンを使った作業に支障はない。
移動もできる。EVなのでエンジン音はしない。黒川さんは「気分転換のため、見晴らしの良い場所に出かけ、そこで働くこともできる」と話す。
優れた環境性能が注目を集めるEVだが、コロナ禍で、さらなる追い風が吹く可能性が出てきた。「e」の開発責任者を務める一瀬智史シニアチーフエンジニアは力を込める。
「単なる移動手段にとどまらない価値を追い求めていきたい。EVは時流に合っている」
軽自動車のキャンピングカー、1年待ちも
寝室やキッチンを備えたキャンピングカーの人気も高まっている。
