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コロナ対策に便乗?交付金で公用車10台購入、ランドセル配布も…疑問な使途相次ぐ

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 政府が新型コロナウイルス対策のため自治体に配った「地方創生臨時交付金」で、目的外と判断されかねない利用事例が相次いでいる。交付金の増額に向けた今後の議論に影響する可能性がある。

■3兆円

閑散とする大阪・道頓堀周辺。臨時交付金は飲食店などへの支援を想定しているが、目的外とみられる事例も出ている(11月27日、大阪市中央区で)
閑散とする大阪・道頓堀周辺。臨時交付金は飲食店などへの支援を想定しているが、目的外とみられる事例も出ている(11月27日、大阪市中央区で)

 臨時交付金は2020年度の1次補正で1兆円、2次補正で2兆円が計上された。感染拡大の防止や雇用の維持、事業活動の継続、経済活動の回復などを目的とする事業であれば、原則として使途に制限はない。すべての都道府県と市区町村に交付され、都道府県の場合、約150億~600億円が配られている。

 実際の使い道としては「事業継続に困っている中小・小規模事業者等への支援」が約3割で最も多い。自治体の要請で営業を短縮、休業した事業者への「協力金」などだ。経営に苦しむホテルや飲食店、映画館、商業施設などが主な支援対象となっている。

 政府は11月、感染の再拡大を受け、協力金を支払う自治体に500億円を追加で配ることを決めた。西村経済再生相は、「(協力金の支給を)躊躇ちゅうちょすることがないように支援したい」と語る。

■「理解得られぬ」

 一方、コロナ対策に「便乗」したかのようなケースも出てきた。

 北海道東神楽町は来年度に小学校に入学する子ども全員にランドセルを配った。広島県三次市が公用車10台を購入したほか、市のゴミ袋の無料配布(茨城県土浦市)、新型コロナで亡くなった志村けんさんへの献花台の交通誘導(東京都東村山市)に臨時交付金が使われた。

 自治体側は「経済的に影響を受けている家庭を支援する」(東神楽町)、「製造・販売が大幅に減少している自動車産業の業績回復に寄与する」(三次市)などと説明している。

 こうした事態について、自民党幹部は「本当にコロナで困っている住民の理解が得られない」と批判する。交付金を所管する内閣府は「適正な使い道かどうか、自治体は住民や地方議会に説明すべきだ」としている。

■3次補正

 自治体は交付金の一段の増額を求めている。全国知事会は11月、都道府県と市区町村分を合わせて計1兆2000億円を政府に要望した。首都圏の知事からは「財政は本当に厳しい。限られた財源は医療に回したいので休業への協力金までの余裕がない。交付金の追加は絶対に必要」と悲鳴が上がる。

 だが、財務省内では「使途にグレーなものがあるなら、使い道が限定された交付金にシフトした方が効果的でムダがない」(幹部)との声が上がっている。

 政府は今月まとめる20年度第3次補正予算案に、臨時交付金を盛り込む方向で調整している。しかし、増額の規模や効果的な使い方をどう確保するかを巡って調整が難航する恐れもある。

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1670810 0 経済 2020/12/03 05:00:00 2020/12/03 17:43:48 2020/12/03 17:43:48 閑散とする道頓堀周辺(27日午後9時19分、大阪市中央区で)=里見研撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201202-OYT1I50096-T.jpg?type=thumbnail

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